
6月23日のソフトバンクとの交流戦最終戦[東京ドーム]では、キャリアワーストの2回途中で降板/写真=小山真司
前回からだいぶ時間が経ってしまいました。交流戦が終わり、すでにレギュラーシーズンも再開。オールスター(※監督推薦)も目の前で、ペナントレースも折り返し地点に来ています。チームはその交流戦期間中に首位に浮上し、再開後も2連勝と着実に勝ち星を重ねる中で、読者の皆さん、ファンの皆さんには僕の調子、状態のことでご心配をおかけしています。
「もう、万全です」と元気に帰ってきたいところでしたが、現在もまだ状況は難しく、ゲームで少しでも良いパフォーマンスを出せるように、と日々試行錯誤をしている段階です。今回は後半戦を迎えるにあたり、正直に今の思いをお伝えしたいと考えています。
今季、開幕は非常に良い状態で迎えられたと考えています。確か
前回のコラムは開幕約1カ月、4試合に投げて3勝1敗(1つの完投)という状況でのものでしたが、イニング的にも、球数的にも、内容的にも、トータルで見てちょうど良いスタート。意識しているわけではなかったものの、150キロを超える球速が出ていて、『アベレージで150キロを投げていた大学時代以来の感覚』であることはお伝えしたと思います。自主トレからやってきたことが形となりつつあり、これからは成熟させていく段階で、もっと状態も上がっていく期待値も高かったのですが……。
5月21日に1度、登録を抹消されました。原因は腰に生じた違和感です。5月15日の
阪神戦(東京ドーム)で10失点し、反省点をしっかりと見つめて次の登板に生かそうと調整をしている中でのもので、正直に言うと、腰はノーマークでしたから、「まさか」と。ただ、そうなってしまったことは仕方がないですから、頭を切り替えて、まずは最短(10日)での一軍復帰を目指しました。
日々、良いほうに向かってはいたものの、違和感が消えることはなく、10日が過ぎ、2週間が過ぎ……。ひょっとすると100%を待っていたら、シーズンが終わってしまうかもしれない。チームにもこれ以上の迷惑をかけられませんから、原(
原辰徳)監督、コーチの皆さんとも相談をし、投げながら治していくことを選択しました。復帰して2戦は2勝していますが、勝敗は別としてその日のベストは尽くせたと思います。これはバッテリーを組んだ炭谷(
炭谷銀仁朗)さん、野手の皆さんの助けのおかげ。とはいえ、交流戦優勝の懸かったソフトバンク戦(6月23日、東京ドーム。2回途中4失点で降板)は論外。申し訳なく思いますし、こういうピッチングをしてはいけませんね。

登録抹消からの復帰第2戦となった6月16日の日本ハム戦[札幌ドーム]では、7回3失点で7勝目を挙げた/写真=榎本郁也
今後も何とか試合を作っていく形を継続することになると思います。バッターを圧倒して、というところは見せられないので、歯がゆい部分はあるのですが、マウンドに立たせてもらっている以上は、「痛い」「かゆい」は言えませんし、チームの勝利のためにできることを最優先に考えないと。ただ、ケガを抱えてのプレーを美談にしてはいけない。ケガなんてないほうがいいに決まっていますから。そこから得るものも確かにありますが、僕はケガなく投げ続けること、そこに至らないことがスポーツ選手には一番大事なことだと思っています。その部分では原監督が常々お話しされている「プロ野球選手である以上、ベストなコンディションで試合に臨むことが最も大切なことである」を今、あらためて痛感しているところです。
とはいえ、こうなった以上はこの経験を次に生かさなければいけません。そのためにも、現状をしっかりと受け止めることが重要です。最初は「こんなはずじゃない」って思いましたが、それでは前に進めないし、受け入れた上で、何ができるか、何をしなければいけないかを常に考えて、向き合っていかないと。
腰に違和感を覚えてから2カ月近く。確実に、良くなってきています。避けなければいけないのは腰をかばって肩やヒジなど、腰以外の部分に障害が出ることです。違和感をうまくコントロールしながら、その上でコンディションをしっかり作っていく。今のところチームも必要としてくれているので、それを意気に感じて、チームの勝利に少しでも多く貢献したいですね。長い野球人生の中で、きっと、同じような場面を迎えることもあると思います。今の苦しい時期を、今後の糧にできるように。これもまた挑戦ですし、成長していくための試練と信じて。
藤岡貴裕&鍵谷陽平が移籍加入
6月26日、
巨人と日本ハムとの間で2対2の交換トレードが行われた。巨人からは
吉川光夫投手、
宇佐見真吾捕手が日本ハムへ移り、日本ハムからは藤岡貴裕投手と右腕の鍵谷陽平投手が加入。昨季も
ロッテから日本ハムへのトレードを経験している藤岡は、
菅野智之とは同学年で、大学日本代表ではチームメート。切磋琢磨した左腕の加入に、菅野は「日本代表でも一緒にやりましたし、困ったことがあれば何でも頼ってほしいです。一緒に頑張っていきたいです」とサポートを約束している。
PROFILE すがの・ともゆき●1989年10月11日生まれ。神奈川県出身。186cm95kg。右投右打。東海大相模高から東海大を経て2013年ドラフト1位で巨人入団。1年目から先発ローテ入りし、13勝。翌14年は開幕投手を務め、リーグ連覇でMVPを受賞した。17、18年は2年連続で沢村賞を受賞。主なタイトルはMVP(14年)、最優秀防御率(14、16〜18年)、最多勝(17、18年)、最多奪三振(16、18年)、沢村賞(17、18年)ほか