シーズンも最終盤。引退を表明した選手たちの会見や引退試合が行われた。今回はその中の幾つかを紹介していく。 写真=桜井ひとし 
館山は苦しい時期も変わらず声援を送ってくれた燕党に感謝した
2000年代に投打の柱としてチームを支えた2人が現役生活にピリオドを打った。
9月21日の
中日戦(神宮)、先発のマウンドに立ったのは、09年に16勝を挙げて最多勝に輝くなど活躍を見せた、通算85勝右腕の
館山昌平だ。中日・
大島洋平との1打席勝負では、外角低めの144キロ直球で二ゴロに打ち取った。「たくさんケガをしましたが、打者と真っ向勝負できたことは誇り」。登板後は
小川淳司監督が自らマウンドへ出向いて交代を告げ、9度の手術を乗り越えた不屈の右腕を労った。

ナインの手で胴上げされる畠山。長く中軸として強力打線を支えてきた
チームの主砲として貢献してきた
畠山和洋は6回、四番・
バレンティンの代打として登場した。「初めて、打てなかったらどうしようという不安がなく打席に入れた」。その打球が詰まりながらも右前に落ち、通算937安打目をマークした。
試合後のセレモニーで、館山は1歳上の左腕・
石川雅規へ感謝の言葉を並べた。「プロ入り前から背中を追いかけてきました。距離を縮めることもできませんでしたが、石川さんがいなければ僕の成績はありません」。この言葉に石川も涙した。
畠山は「ファンとともに19年間戦えたことは誇り」と涙をぬぐった。「若い選手が再びリーグ優勝に導いてくれると確信している」と、後輩に未来を託してグラウンドを去った。