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ロッテは“超”原石の163キロ右腕をどう磨く 佐々木朗希の「育成法」

 

今秋ドラフト最大の目玉となった163キロ右腕は、ロッテが交渉権を引き当てた。“令和の怪物“と称されるダイヤの原石を、どう磨き、育て上げていくのか。

「目の前の目標から達成していき、いつか夢がかなえられるように頑張りたい」


2人の日本人メジャーが育成プランの指標となる


 特大のダイヤの原石を鮮やかに磨き上げるため、ロッテが球団の総力をあげる。

 ドラフト1位の最速163キロ右腕、大船渡高・佐々木朗希の「育成プロジェクト」が始動した。球団史を見ても異例といえる「育成マニュアル」を約30ページにわたり作成。現在190センチ、85キロという体格は、東北高から日本ハムに入団したダルビッシュ有(現カブス)や、花巻東高から同じく日本ハムに入団した大谷翔平(現エンゼルス)の高3時と酷似しており、2人をモデルにした育成プランが掲載されているという。

 高校3年時に195センチ、84キロだったダルビッシュはウエート・トレーニングと食トレによる肉体改造を実施。体重を10キロ以上増加させるなど、努力を重ねてメジャー仕様の体を作り上げた。1年目の2005年に5勝、翌06年から6年連続で2ケタ勝利を挙げ、球界を代表する投手へ駆け上がると、11年オフにメジャー挑戦を表明した。

 高校時代からメジャー挑戦を夢見ていた大谷の18歳時は193センチ、86キロだった。日本ハムが用意した二刀流の育成プランを基に、13年に投手として3勝、打者では77試合で打率.238、3本塁打、20打点と鮮烈なルーキーイヤーとなった。14年からは3年連続で2ケタ勝利を挙げ、日本最速165キロも計測。17年オフにポスティングシステムで海を渡る際には体重も約100キロにまで進化していた。

「日本最速」と「メジャー」という将来の夢を抱く“令和の怪物”にとって、2人の成長過程はもってこいの指標となるだろう。

球団全面バップアップも焦らずじっくり育成


 ダルビッシュ、大谷も指導した経験のある吉井理人投手コーチは「彼の体を見るとあんまりムチャはできないと思う。まずは彼が高校のときにどんな練習をしてきたとか、話してみてからになるでしょうね」と見通しを語り、本人と面談した後に具体的な育成プランを立てるとした。一方、昨季まで二軍で指導にあたっていた川越英隆投手コーチは「無理して投げさせない。実戦期間に入っても中6日とか中10日くらいの登板間隔を空ける」と、近年の高卒投手の育成行程を説明。故障防止を最優先とし、「同い年の大卒投手が入ってくる4年後までに先発ローテに入ることを目標に」と焦らず、じっくり育成していくことになりそうだ。

 佐々木には“追い風”も吹く。球団は2020年から順天堂大医学部付属医院、同付属浦安病院と医療サポート提携を結ぶことを発表。整形外科、コンディショニング、栄養管理などを中心に各分野の名医たちがチームドクターとして徹底的な健康管理を行い、“怪物”もバックアップ。来年1月の新人合同自主トレ期間には同病院の施設でMRI検査や骨密度検査を行うことになっており、そこで取れたデータを基に年間のウエート・トレの内容が決まる。

 楠貴彦コンディショニングディレクター兼育成統括は「佐々木君は、世界一になれる素質は持っていると思います。ですが、高校の公式戦で投げたイニング数は3年間で100回に満たないと聞いている。体がまだできていないので、(一軍で活躍する日を)逆算してやっていかないといけない」と説明した。

「体力面が足りない。少しでも体を強くしていきたい。目の前の目標から達成していって、いつか夢がかなえられるように頑張りたい」

 10月末の指名あいさつで、こう語っていた佐々木朗希。ロッテは手塩にかけて日本No.1の投手へと育て上げなければならない。

PROFILE
ささき・ろうき●2001年11月3日生まれ。岩手県出身。190cm85kg。高田小3年時から野球を始め、11年の東日本大震災で被災して、猪川小に転校。大船渡一中では軟式野球部に所属し、オール気仙(軟式野球経験者で編成されたKWBボールの地域選抜チーム)で東北大会準優勝。大船渡高では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエースで県大会4強。3年春は県大会1回戦敗退、同夏は県大会決勝敗退。2019年秋のドラフトで4球団競合の末にロッテが交渉権を獲得した。
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