
ルーキーながら盗塁王を獲得し、セの年間新人安打記録に球宴でのサイクル安打と獅子奮迅の活躍だった近本
投手力
チーム防御率3.46と12球団No.1の成績を誇った。だが、先発陣で2ケタ勝利を挙げたのは
西勇輝の10勝8敗のみ。
青柳晃洋も先発ローテを守ったが、9勝9敗に終わり、先発陣の防御率は3.90だった。
12球団最高の防御率を作り上げた最大の功労者は、強力な中継ぎ陣だった。リリーフ全体の防御率は2.70という素晴らしい数字。特に勝ちパターンで投げるリリーバーが1年を通じほぼ完ぺきな投球を披露した。
岩崎優(1.01)、ジョンソン(1.38)、
島本浩也(1.67)、
藤川球児(1.77)、
ドリス(2.11)と全員が2点前半までという驚異的な数字を残したのだ。いかに勝ちパターンで盤石のリレーができていたかが分かる。
来季に目を向けても、
守屋功輝(防御率3.00)のほかに二軍にも同じような力を持つ中継ぎの投手陣が控えており、盤石の体制は整っている。ジョンソンの去就は気になるが、数字上では来季の課題は明白。先発陣をいかに育成していくかが優勝争いのカギを握る。
攻撃力
チーム打率.251はリーグ4位と寂しい内容だったが、新しい風が
阪神打線に誕生した。スピードスターの
近本光司だ。ルーキーでいきなり36盗塁を決め盗塁王を獲得すると、魅力は足だけではなくバットでも年間チーム最多の159安打を放ち、セ・リーグ新人年間最多記録を達成。試合の流れを変える走塁や打撃でチームのAクラス入りに貢献した。
一方で四番の育成には苦労した。
矢野燿大監督はプロ3年目の
大山悠輔を抜てき。大事な場面で凡打や三振を繰り返す場面もあったが、結局チーム最多の14本塁打に得点圏打率はチーム2位の.318。来季以降の成長に期待を抱かせる1年だった。
下位打線では
梅野隆太郎が存在感を見せた。得点圏打率はチームNo.1の.330を記録。打点はチーム2位の59とチームをけん引した。主軸の
糸井嘉男は今季も8月にケガをして戦線離脱も、チーム最年長の
福留孝介が、ベテランらしい打撃で若い打線にカツを入れ続けた。
守備力
今季1つでも失策を減らすことができていたら、もしかしたら優勝争いも十分にできたかもしれない……。それくらい野手陣が投手の足を引っ張った。その数102個。もちろんリーグ最多失策だ。
特に三遊間に大きなほころびが出た。三塁を任された大山は20個。センターラインの中でも特に要でもある遊撃手を任された
木浪聖也が15個、そのライバルでもある
北條史也が11個。この3人で46個とチーム失策の約半分を数えた。
いくら投手陣が強力といっても、味方がエラーしてしまうと厳しい投球が続いてしまう。だが、その失策を投手陣がカバーしたことでAクラス入りを果たしたといってもいい。
良い面では正捕手の梅野がリーグ2位の盗塁阻止率.370を記録。また、中堅を守る近本が外野リーグトップの10補殺を記録している。
143試合69勝68敗6分勝率.504 [ホーム39勝32敗1分/ビジター30勝36敗5分]
[交流戦6勝10敗2分 勝率.375 10位]
【はみ出しDATA BOX】2人のサイクル安打はどちらも甲子園
長いNPBの歴史の中で、サイクル安打達成は69人(74回)のみの達成という記録である。その69人目が4月9日の
DeNA戦(甲子園)で達成した梅野隆太郎だった。公式戦での捕手としては4人目の快挙となった。快挙といえば、オールスターでは史上2人目の達成となったのが近本光司だ。7月13日のオールスター第2戦[甲子園]で記録。公式戦とオールスターで立場が違うが、NPBの公式試合の中で、1シーズンで同じチームからサイクル安打は、1992年の
ヤクルトの
ハウエルと
古田敦也が達成しており2度目のこと。このときは古田がオールスターでサイクル安打を放った。だが梅野も近本も、本拠地・甲子園での記録でシーズン2人が同球場で達成はもちろん史上初。 (H.s)
【2019年の主な達成記録】 ▼通算1000打点=福留孝介、4月6日対
広島(マツダ広島)プロ野球46人目
▼サイクル安打=梅野隆太郎、4月9日対DeNA(甲子園)プロ野球69人目
▼通算300二塁打=糸井嘉男、4月28日対
中日(ナゴヤD)プロ野球71人目
▼通算1000奪三振=西勇輝、6月21日対
西武(甲子園)プロ野球149人目
▼球宴サイクル安打=近本光司、7月13日対パ・リーグ(甲子園)プロ野球2人目
▼通算1000得点=福留孝介、7月28日対
巨人(東京D)プロ野球28人目
▼通算1500試合出場=糸井嘉男、8月7日対ヤクルト(神宮)プロ野球195人目
▼セ年間新人安打記録=近本光司、9月19日対ヤクルト(甲子園)