巨人・長嶋茂雄が象徴的だが、かつて「三塁手」は守備の花形であり、打線においてもチームの看板を背負うことが多かった。その後、小粒になったとも言われた時代を経て、今、若き強打の男たちがその座に就き、新たなる伝説を築こうとしている。 ※成績、情報は7月29日現在 楽天・鈴木大地 ナインを鼓舞する「背番号7」

[写真=湯浅芳昭]
今季から
楽天の三塁を守っている。ここまで34試合中13試合でマルチ安打を記録し、そのうち5試合で猛打賞とチームの勝利に貢献。逆に無安打に終わった10試合の結果は1勝8敗1分と、見事なまでに自身の成績と勝敗がリンクする。
打席での存在感はもちろんのこと、守備面でも力を発揮する。
三木肇監督が「このゲームの大きなポイントだった」と振り返ったのは、7月15日の
西武戦(楽天生命パーク)、初回の守備。二死一、二塁のピンチで、三塁側カメラ席の雨よけシートに激突しながら三邪飛をつかんだ。ピンチの芽を摘むファインプレーにも、「できる範囲の全力を尽くしただけ」と本人は淡々と語る。
劣勢の場面では投手への声掛けを欠かさない。昨年11月の入団会見時、
石井一久GMは「内野の中に司令塔みたいな人がいてくれたほうがいい」と獲得した理由を語っていたが、グラウンドにも、ベンチにもナインを鼓舞する「背番号7」がいる。鈴木大が加わった意味は小さくない。
ロッテ・安田尚憲 不動の位置を築くカギ

[写真=小山真司]
ドラフト会議2週間前のこと。履正社高で思い出の場所を問うと即答した。
「三塁ベースです。あそこでたくさんノックを受けた。打つほうが注目されますが、守れないと使ってもらえない。プロでも守備は大事にしていきたい」。
打ってはスタンドまで運ぶパワーが魅力の
安田尚憲は、
ロッテ入団後もドラフト当時と変わらぬ思いを持続けている。「守れないと試合には出られない」と、無観客試合となった今季序盤は、試合後に三塁に入ってノックを受けることもあった。送球に不安はあるものの・・・
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