
ショート守備の名手だった大洋・山下
ダンプの功績
この間の回で、
カークランド(
阪神)がセンターを守っていたとなっていた……というか僕が話したようになっていましたけど、あの人はライトです。それで藤井(
藤井栄治)さんがレフトに回ったんですからね。昔話だから、まあいいかと思ったけど、一応言っておきましょう。
そもそも、あのときは外野からの補殺の話でしたが、センターからではよほどの強肩じゃないと、なかなか刺せません。そうそう、一度、大洋時代に長崎(
長崎慶一)が刺してびっくりしたことがあったな。あいつの球は、ひょろひょろなんですけど、要は走者に警戒されなかったからです。ライト、レフトの距離ならともかく、センターで警戒されたら、まず刺せませんからね。
そうだ、今回は試合前練習の昔話からにしましょうか。結構、ダンプがプロ野球の歴史に役立っていることもあるんですよ。まずビジター練習の時間ですが、今は1時間くらいですけど、昔は40分だったんです。宿舎から球場に来たら、キャプテンを先頭にセンターまで2往復して、キャッチボールだけやって打撃練習です。クリーンアップの人が20分くらいやって、ほかのレギュラーが10分かな。雑魚(ざこ)は1分、僕らキャッチャーは、ブルペンも行かなきゃいけないんで、ひと振りだけです(笑)。
これが変わったのが、
豊田泰光さんがサンケイ(現
ヤクルト)のコーチだったときです。甲子園で、なぜかコーチじゃなく僕に向かって「おい、ダンプ、神宮(サンケイの本拠地)に帰ったら10分やるから10分くれないか」と言ってきたんです。もちろん、僕が偉そうに「いいですよ」とは言えないんで、それをコーチに伝えただけなんですけど、びっくりしたことに本当に10分長くなった。しかも、その後、球界全体が50分、さらに1時間になったんですよ。遠征のホテルからの出発時間が早くなるんで、ブーブー言ってるヤツもいましたけどね(笑)。
その後、
巨人や阪神にトレーニングコーチが入って試合前のアップも本格的になったんですが・・・
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