チーム力を飛躍的に向上させるであろう2021年要注目のフレッシュな“力”に迫る新連載インタビュー『Power Push』。第1回は22歳の若さでサイドスロー転向を決断し、生きる道を切り開いた若き左腕の登場だ。巨人のリーグ3連覇と日本一奪回に不可欠な25歳の秘める思いに迫る。 取材=坂本匠 写真=桜井ひとし、BBM クビをかけた“転向”
高卒入団とはいえ、プロ入り3年間で一軍登板はわずかに8試合のみ。危機感を抱いていたという大江竜聖は、2020年シーズンの開幕前、大きな決断を下すことになる。サイドスローへの転向は、背水の覚悟がさせたものだった。 ──昨年、一軍で43試合を投げて迎えた今春キャンプは、二軍をメーンにシーズンを過ごしていた過去4度のキャンプとは入り方、心の持ち方など違いがあるのではないですか。
大江 違いますね。これまでも、「これをしたい」、「あれを身につけたい」と、テーマを持ってキャンプに臨んではいましたけど、大きな部分では「開幕一軍」だったり、「一軍で投げること」という、けっこう漠然としたものが大きな目標にありました。キャンプ中に結果を出さなければいけない、という気持ちもあったと思います。もちろん、今も結果を出してポジションをつかまなければいけない立場ではありますけど、ただ、昨年1年間、一軍でいろいろな経験をさせてもらって、ただ一軍で投げるというところから、一軍で投げて、チームに貢献していくために、結果を残すために、「何が必要か」ということを考えられるようになっていると思います。正直、今までにない感じというか、毎日が充実しています。
──昨シーズンを振り返ってください。過去3シーズンで一軍8試合登板だったところから、43試合登板と大きく飛躍する1年となりました。
大江 ワンポイントの大事なところで行かせてもうことも多かったのですが、良い結果が出たこともあった半面、1人だけしか投げないところで、出してしまった四球がずっと頭から離れません。全然ダメだな、と。いつ振り返っても、良いシーンよりもこういうシーンばかりがよみがえってきて、危機感があります。勝負に行った結果、仕方がない四球があるのも確かですけど、僕が出してしまった四球はそれに当たらない。反省ばかりです。一軍で、これだけの試合に投げられた、という部分ではそれまでの3シーズンよりも大きく前進できたのは確かですけど。
──大きな前進には、オーバーハンドからサイドスローへの転向がきっかけにあったと思います。左の本格派だった大江選手が、サイドスローに転向した理由を教えてください。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期となり、個人調整期間中に転向を決断したとか。
大江 きっかけは・・・
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