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キャンプ現地リポート2021

キャンプ現地リポート・阪神 大物&掘り出し物ルーキーが躍動 弱点の守備克服できれば優勝も

 

16年ぶりのVを目指すべく、弱点克服と、ルーキー6人が一軍キャンプ参加というカンフル剤を打ち込み、チーム内に活気をもたらしている。新助っ人の来日は遅れているが、各ポジションで、熱い戦いが繰り広げられている。ここでは、注目の若手と阪神の弱点克服強化の進み具合をリポートする。

練習試合ではすでに2本塁打を放ち、結果を残している佐藤輝。野手陣に刺激を与えているが、このままレギュラーを奪いそうな勢いだ


チェックポイント


◎投打で新人が開幕一軍の可能性大
◎川相塾で着実に守備面を強化中

ドライチ、佐藤輝は規格外 8位の石井に監督も熱視線


 今季の一軍キャンプはフレッシュな顔ぶれがそろった。福留孝介(中日)、能見篤史(オリックス)、そして引退した藤川球児というベテランが抜けただけに、多くの若手と、ルーキー6人が参加している。

 投手陣では昨季のドラフト1位、西純矢が遠縁にあたるエース・西勇輝と一緒に全体練習前にロングランを行い、精力的な投球も見せている。ブルペンでは、西勇が自分のブルペン終了後に、西純の近くへ歩み寄り、投球フォームを見つめる。ときに捕手のほうへと行き、球筋を見ながらアドバイスを送る場面も見受けられた。

「いや、もうありがたいです。いろいろアドバスをもらえます。実績のある投手なので」と西純。ルーキー同様に、チャンスを与えられ実戦でも結果を出した。今後の阪神を担う男だけに、エースの遺伝子を受け継いでいきそうだ。

 西純に負けられないルーキーたちは、各々にアピールを続けている。その中で評価を上げているのが、昨秋のドラフトで支配下最後の指名となったドラフト8位・石井大智だ。まさに掘り出し物。173cmと小柄ではあるが、藤川球児を彷ふつとさせる投球フォームから、回転のいい真っすぐと変化球を駆使する。さらに独立リーグの高知で培った投球術も持ち合わせている。最初の実戦登板では打たれたが、次の紅白戦では、投げるテンポを変えるなど三者凡退に抑えた。2月16日の楽天戦(宜野座)でも9回のマウンドに上がり12球でこちらも三者凡退に。矢野耀大監督も「石井は十分(一軍で)通用するボールを投げられる」と太鼓判を押す。この調子を維持すれば、開幕一軍の中継ぎ陣の中に入る勢いがある。

独立リーグで実戦慣れしているだけに、マウンドさばきがうまい石井。こちらも開幕一軍入りの可能性が高い


 当然のごとく、ルーキーの野手ではドラフト1位の佐藤輝明が、高評価を得ている。2月18日のDeNA戦(宜野湾)ではDeNAの10勝投手、大貫から2本の安打を放ち、9回には伊勢からバックスクリーンへ豪快な本塁打まで披露するなど、実力は本物だ。矢野耀大監督もこれには「エグイ!」と称賛。打球音は、すでに助っ人や四番の大山悠輔並みの大きさを奏でる。外野も内野も守備力もあり、腰の張りがあった大山悠輔の調整具合によっては、大学時代から守っている三塁で起用される可能性も出てきている。どちらの守備でも開幕スタメンの可能性が非常に高く、ほかの野手に大きな刺激を与えている。

守備力アップを図るには「基本から」を徹底する


守備強化で臨時コーチとして指導する川相氏[写真左手前]。基本の徹底を体に染み込ませながら、動画を使っての指導も行っている


 このように超若手が若手レギュラー陣に挑む形で活気あるキャンプとなってる。そんな中でも、地道に取り組んでいるのが、内野陣の守備強化だ。昨季まで3年連続リーグワーストのエラー数(20年は85個)。誰もがアウトにするだろう、と思った打球をエラーしてしまう。そのような守備を消滅させるため、巨人・中日で名遊撃手として活躍した川相昌弘氏を臨時コーチに招へいした。

 川相臨時コーチは、各選手に指導を行うとき、必ず野手コーチに声を掛け、了承を得てから指導に入るスタイルを最後まで貫いた。そして何より基本を徹底的に体に染み込ませていく作業を繰り返した。「普通にアウトにできるゴロを、捕り損ねたり、悪送球をしたりしていた。だから、キャンプの最初は基本の見直しからやっていこう」とキャンプ前に全選手の過去の動画を確認し、指導法を決めたのだ。

 その内容は、※ボールの右側から素早くチャージすること。※捕球後は大きくステップし、体重移動を利用して下半身で投げること、というもの。シンプルであるが、体に染み込ませないと、応用が利かない、というのが川相臨時コーチの信念だ。実際にはノックではなく、近距離から手で投げたゆるいゴロでしっかり基本動作を体に染み込ませる作業を繰り返し行っている。

 また、各選手の捕球をスマホに録画し、川相臨時コーチの解説付きの動画を選手たちに送信しているという。「大事なのは、キャンプ中に選手やコーチに伝えたことを、今後いかに継続し、積み重ねてもらえるか」と川相臨時コーチ。優勝争いができる戦力があるだけに、1つでもエラーを減らすことができれば、その可能性は高くなる。

 毎年、連日1万人近くのファンが宜野座一軍キャンプを訪れるが、今年はその声援は聞こえず、さみしさがある。しかし一方で、選手たちの声のトーンが明るいのは気のせいではないだろう。16年ぶりのVへ向け、仕上がりは順調のようだ。

編集部予想


開幕スタメン
1[中]△近本光司
2[二]△糸原健斗
3[三]△佐藤輝明◎
4[一] 大山悠輔
5[左] サンズ
6[右]△糸井嘉男
7[遊]△木浪聖也
8[捕] 梅野隆太郎
9[投] ――

ロハス・ジュニアの来日が決まらないこととマルテの守備より大山の一塁のほうが安定感があることで、大山を一塁に起用し、送球が安定している新人の佐藤輝を三塁に抜てきする可能性大だ。

開幕先発ローテ
 西勇輝
 秋山拓巳
 青柳晃洋
 藤浪晋太郎
△チェン◎
伊藤将司
開幕中継ぎ
岩崎優
岩貞祐太
 エドワーズ
 馬場皐輔
 石井大智◎
 ガンケル
 加治屋蓮
 望月惇志
抑え
 スアレス

アルカンタラの来日未定と高橋遥人のケガによる離脱で、チェンと新人・伊藤の起用が有力か。中継ぎには勢いを買って新人・石井が入る可能性大だ。
※△は左打ちまたは左投げ、◎は新戦力

虎の新型コロナ禍対策は?


昨年まで多くのファンが行きかった道路も閑散としているが、侵入をさせないように警備員が配備されている


警備員の徹底した施設管理
 感染者を絶対に出さない。その意思を強く感じた。無観客ということもあり、球場は閑散としている中で、昨年まで警備していなかった場所へも警備員が配置されている。

「阪神ファンは熱狂的ですからね。無観客と知っていても見に来るんです。気持ちはすごく分かるのですが、絶対に入らせないようにしています」

 多くの警備員を配置しても、施設自体が大きいことで、抜け道を見つけ、入ってくるファンが1日に3、4組はいるという。しかし、そういうファンはPCR検査を受けていない可能性が高いため、絶対に施設内に入れるわけにはいかない。そのために警備は徹底されている。もちろん、選手や球団関係者は定期的にPCR検査を受け、報道陣も陰性証明が必要なため、定期的に検査を受ける。全体で新型コロナ感染防止に努めている。
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