幸先よく2連勝でスタートを切った日本代表。8月7日に、金メダルを確実に手に入れるため、キーマンの働きが重要になってくる。それはクローザーであり、四番打者なのだ。 写真=Getty Images、JMPA、WBSC 栗林良吏 #20[広島/投手] 頼もしきクローザーへ

落ち着きを取り戻した2戦目のメキシコ戦ではシーズン中と同じようなキレのある投球を見せた栗林。金メダルへ向け日本のクローザーが気持ちを強く持っている
顔つきからして違った。7月31日に行われたグループステージ第2戦のメキシコ戦。3点リードの9回裏にマウンドに立った
栗林良吏は、クローザーとして最高のパフォーマンスを披露する。五番のD・エスピノサを一ゴロ、E・ナバーロを遊ゴロと落ち着いて料理すると、最後はJ・ジョンズをストレート、カーブで追い込み、遊び球を挟むことなく最後は宝刀・フォークで空振り三振。渾身のガッツポーズを繰り出した。
これには伏線がある。ドミニカ共和国との開幕戦でも9回を任されていたが、このときは1点ビハインドで最後の攻撃を迎える前に、この差をキープしたいというベンチの思惑があった。しかし、日本代表トップチームの公式戦デビューでもあった右腕には硬さがあり、2本の長打と四球で非常に重たい1点を献上している。結果的に、打線が2点差を追いつき、逆転で栗林に勝ち星がついたが試合後は反省の弁を述べていた。
それから中2日、新人クローザーは逞たくましかった。「今日負けたら、3位にもなりかねない試合。絶対勝ちたいという気持ちで準備していました。前回が悔しい結果だったので、『必ずゼロで抑えて帰るぞ』という気持ちでマウンドに上がりました」。頼もしいクローザーが誕生した瞬間だった。
鈴木誠也 #51[広島/外野手] 苦しむ四番のリアクション

2試合で安打なしの四番・鈴木。四番の重圧をはねのけ、快音が出れば自ずと金メダルが見えてくるはずだ
ドミニカ共和国との開幕戦序盤こそ当たりの出なかった日本だったが、最終回に1つの野選を挟んだ5連打でサヨナラ勝ちを収めると、流れが変わった。続くメキシコ戦では10安打で7得点。2本塁打に4盗塁の機動力も絡めて、
稲葉篤紀監督が求める“スピード&パワー”を体現している。そんな好調攻撃陣の中で、1人蚊帳(かや)の外にいるのが四番を任される
鈴木誠也だ。メキシコ戦まで先発野手唯一の無安打。2019年のプレミア12では全試合四番に座って打率.444、出塁率.545でMVPを獲得した主砲が苦しんでいる。
「勝てればそれでいい。僕が打たなくても、周りの選手が打ってカバーしてもらえたりするので、そういった面では気持ちは楽ですけど……」
開幕前、稲葉篤紀監督は「いろいろなことを決め過ぎると、自分の首を絞めてしまいます。ですから、四番も決めないし、抑えも決めない。順応性を持ってやっていきたい」と話していたが、決勝までのノックアウトステージでは打順の変更、先発から外すことも選択肢の1つだろう。ただ、打線のつながりは悪くない。ここに手を加えることで悪いほうに転じてしまう可能性も否定できない。「誰も打たないときに打つのが四番」の格言もある。鈴木のリアクションに注目だ。