強烈な打球が飛んでくる一方で、セーフティーバントなど“前”への打球判断も求められる。前後に加えて、三塁線を破られれば長打となるだけに、走者の有無や試合展開に応じて左右もケアしなければならない。“ホットコーナー”と呼ばれる花形の三塁手は失点を防ぐために打球への反応と対応力が求められる。今回は三塁手の構えをチェック。一流プレーヤーたちは、どこに守り、どう構える? 【セ・リーグ編】はこちら ※成績は三塁出場時のみで8月28日時点。年齢は2022年の満年齢。対戦情報の△は左打者 宗佑磨 8.10 vs
楽天(京セラドーム)
1回表 0対0 無死無走者 【打者】△小深田大翔 
宗佑磨[オリックス/26歳]21年守備率_.977、22年守備率_.965
身体能力も大きく関係?
パ・リーグの三塁手の構えを見れば、
こちらでのセ・リーグに比べて構えが高い選手もいる。昨季、ゴールデン・グラブ賞を受賞したオリックス・宗佑磨も、腰の位置は低いものの、目線は高めだ。高い身体能力を生かしたダイナミックな動きを見せる三塁守備は、「打球の正面に入る」「両手で捕球」といった固定概念をなくして生まれたもの。反応と瞬時判断を大事にしているからこそ、より『動→動』を意識するため“低い姿勢”にこだわってはいないようだ。
茂木栄五郎 8.10 vs オリックス(京セラドーム)
1回表 0対0 一死一塁 【打者】中川圭太 
茂木栄五郎[楽天/28歳]21年守備率_.984、22年守備率_.981
楽天・茂木栄五郎も、以前は低く構えることを重視していたが、現在は「一番動きやすい姿勢、一歩目が切りやすい姿勢」を意識し、腰の位置は高め。打者の打球傾向も把握し、状況に応じて前後左右と守る位置を微妙に変えている。
野村佑希 8.9 vs
西武(札幌ドーム)
1回表 0対0 一死無走者 【打者】△源田壮亮 
野村佑希[日本ハム/22歳]21年守備率_.917、22年守備率_.951
ただし、正解はない。昨季16失策と守備面は明確な課題である日本ハム・野村佑希は特に捕球面に難があり、キャンプでも徹底的に守備練習に励んできた中で、写真の構えに。俊足巧打の源田壮亮の打席であることもあるが、打球への反応が課題であるためか、グラブをしっかり地面へつけた構えは低く、前へのチャージを含めた素早く一歩目を切る意識が垣間見える。
安田尚憲 8.9 vs
ソフトバンク(ZOZOマリン)
1回表 0対0 無死無走者 【打者】△周東佑京 
安田尚憲[ロッテ/23歳]21年守備率_.954、22年守備率_.974
とはいえ、前方の打球をケアすればいいだけではないのが分かるのが、ロッテ・安田尚憲の構え。「1歩目を早く切って、最悪でも体で止める」と、長打コースとなる三塁線の打球を重点的に練習してきた。右足を引いた構えからも、三塁線への打球に対応する考えが透けて見えてくる。さらに写真は俊足のソフトバンク・周東佑京の打席とあって、内野安打を防ぎ、セーフティーバントもケア。前の打球に対する準備もポジショニングから分かることだ。
周東佑京 8.9 vs ロッテ(ZOZOマリン)
1回裏 0対0 一死無走者 【打者】△マーティン 
周東佑京[ソフトバンク/26歳]21年守備率_出場なし、22年守備率_.935
状況に応じたポジショニングは、自らのスピードも踏まえてのこと。それが分かるのが、ソフトバンク・周東佑京の写真。持ち前の俊足を生かした守備範囲の広さは、ここでも武器となり、写真の場面ではマーティンの長打を警戒して深めに守ってはいるものの、打球が内野に飛べばすぐさま動き出してしっかりと処理。スピード感あふれる軽快な捕球からの送球で、好プレーも何度となく見せているが、自らのスピードは最初のポジショニングと無関係ではないはずだ。
中村剛也 8.5 vs ロッテ(ベルーナドーム)
6回表 2対3 無死無走者 【打者】荻野貴司 
中村剛也[西武/39歳]21年守備率_.976、22年守備率_.972
巨体だが動きは軽やかな西武・中村剛也も、三塁守備でも巧みなハンドリングで強烈な打球を好捕。39歳となった今でも水準以上の守備力を誇る。写真は1点ビハインドの6回、打席にロッテ・荻野貴司を迎えた場面。快足を誇る一番打者に対して、低く構えて前目にポジション取り。緩い打球でも素早く反応してアウトにしようとする姿勢が見て取れる。
構えはそれぞれ。ポジショニングも状況に応じての位置と正解はない。強いて言えばアウトを奪えば、すべて正解だ。