「マウンドは孤独」と言う投手は少なくない。自らが投じる1球が試合の流れを左右する。力みが生じて制球を乱せば、守りのリズムが悪くなり、攻撃にも影響を及ぼすものだ。ただし、バックには仲間がいる。苦しい場面で、かける“一声”は大きな勇気となり、投げ込むボールに力を与えてくれるもの。今回は、そんな『野手の声かけ』をチェック。誰が、どんなタイミングで投手の背中を押しているのだろうか。 【パ・リーグ編】はこちら 村上宗隆[ヤクルト/三塁手/22歳] 投手心理を読み解いて
プレーしているのは機械ではない。メンタルスポーツとも呼ばれる野球は、プレーとプレーの間があるからこそ、その“間”を使っての声かけが次のプレーに影響を与えるものだ。些細な“一声”は大きな力になる。では、誰が、どんなタイミングで投手に声をかけているのか。
ヤクルトでは、三塁手・村上宗隆が何度もマウンドに駆け寄り投手を鼓舞する姿を見せている。打席と変わらず、勝利を目指す姿勢を感じさせ、声かけについては「感じたタイミング」と言う。投手心理を汲めるのは、高校時代に捕手を務めてきた経験も大きいはず。
大山悠輔[阪神/一塁手/28歳] 
9.1 vs 広島[甲子園] 3回表 0対0 二死一、二塁【打者】西川龍馬

9.3 vs 巨人[甲子園] 6回表 0対0 二死一塁【打者】A.ウォーカー
阪神では一塁手・大山悠輔が周りを見てよく動く。2枚の写真を掲載したが、上の写真は先発・
才木浩人が二死後に失策、四球を与えた直後。間を取ったのが良かったのか、西川龍馬を三振に斬り、6回降雨
コールドでのプロ初完封を飾った。下の写真も
西純矢が力投を見せた試合と、若手に対しての声かけが目立つのは昨季まで主将を務めた経験が生きているのだろう。
坂本勇人[巨人/遊撃手/34歳] 
9.6 vs DeNA[東京ドーム] 3回表 0対1 二死一塁【打者】宮崎敏郎
巨人の主将・坂本勇人の存在感も大きい。写真は
菅野智之が3回に先制点を献上した直後。1つ年下のエースの下へ駆けつけると、立ち直って9回1失点。「負けているときはもっとしゃべりながらやらないといけない」と責任を持って積極的に声を出している。チームの支柱ということは、写真からも伝わってくる。
坂倉将吾[広島/一塁手/24歳] 
9.2 vs DeNA[マツダスタジアム] 9回表 2対0 無死三塁【打者】楠本泰史
ただ、決して頻繁に声をかければいいわけではない。広島・坂倉将吾は捕手としての経験から投手の性格を踏まえ、必要と見ればマウンドへ。写真の場面が代表的な例だ。守護神・
栗林良吏が先頭打者に三塁打を浴びると声をかけ、ひと呼吸で落ち着きを取り戻した栗林は、後続を断って無失点に。坂倉が声をかけることで、投手の雰囲気がガラリと変わることが多いのは、内野手としても投手に寄り添う姿勢を見せるからだろう。
土田龍空[中日/遊撃手/20歳] 
8.31 vs DeNA[横浜] 6回裏 2対2 無死一塁【打者】大田泰示
やはり、声をかけるタイミングは、ピンチや、四球を与えた直後が多い。中日・土田龍空も先発・
勝野昌慶が先頭打者に四球を与えてしまった場面だ。
ビシエド[中日/一塁手/33歳] 
8.27 vs 阪神[バンテリンドーム] 8回表 1対4 二死満塁【打者】中野拓夢
助っ人もしかり。中日の内野陣で投手に意外と声をかけているのがビシエド。
ロドリゲス、
R.マルティネスと同じキューバ勢はもちろん、日本人投手のときでも変わらずに声をかけにいき、ポンポンとお尻を叩いて終わるだけの場合もある。
牧秀悟[DeNA/二塁手/24歳] 
8.31 vs 中日[横浜] 8回表 3対2 一死一塁【打者】ビシエド
もちろん、日本人選手も助っ人への声かけを怠らない。DeNA・
エドウィン・エスコバーが苦手とする中日・ビシエドを迎え、ベンチが交代の気配を見せると、納得がいかない様子を見せていたところにすかさず牧秀悟が駆け寄った。
ソト[DeNA/一塁手/33歳] 
8.27 vs ヤクルト[横浜] 4回表 1対3 無死一塁【打者】キブレハン
助っ人同士の場面も。一軍初登板となったDeNA・
ガゼルマンに声をかけたのがソトだ。先頭打者を遊ゴロに仕留めるも、一塁送球がバウンドしてセーフの判定。リクエスト要求の結果を待つ間、英語で「セーフ? アウト?」など話していたのだろうか。