西武が新たに開校した「ライオンズスポーツアカデミー」。野球、ダンスに続く第三弾のアカデミーだが、その狙いは何か。10月7日、開校日の模様をリポートする。 文・写真=中島大輔 
10月7日、所沢にある秋草学園短期大学のテニスコートで開校した「ライオンズスポーツアカデミー」
野球離れの解決へ 今までと違うアプローチ
秋晴れの10月7日、西武新宿線の航空公園駅、新所沢駅からいずれも徒歩8分の秋草学園短期大学のテニスコートで埼玉西武ライオンズの新たな取り組みが始まった。3~9歳の子どもを対象に、スポーツ科学と幼児教育学に基づいたプログラムを提供する総合スポーツスクール「ライオンズスポーツアカデミー」を開校させたのだ。
背景の一つには、全国で進む野球人口減少がある。少子化の7~8倍と言われるスピードで小中学生の野球競技者が減っているのだ。西武のビジネス開発部に所属する篠原彰太氏が危機感を口にする。
「球団が抱える課題の一つが若年層ファンの取り込みです。人口が減少しているなか、人々の趣味が多様化し、野球と触れ合う機会はどんどん減っています。特に子どもの野球離れが深刻な課題となるなか、今までと違うアプローチが必要です」
ライオンズは地域貢献活動の一環で2012年に野球、22年にダンスのアカデミーを開校し、今回は第三弾に当たる。これまでは競技を絞って興味のある子を集めてきたのに対し、「スポーツ」と枠を広げたのはもちろん意図がある。マルチスポーツにはさまざまな利点があるからだ。篠原氏は下記の3点を挙げる。
(1)ゴールデンエイジとされる3~9歳の時期に、いろいろな動作を経験することで運動神経が発達しやすい。
(2)1年間のコースで7種目以上(野球、サッカー、テニス、バスケットボール、体操、スプリントなど)を行うので、自分が好きなスポーツを見つけやすい。中高で部活動を決める際などに参考にできる。
(3)競技を絞らないことで運動が得意ではない子、どの習い事をしようかと迷っている子も参加しやすい。
つまり参加する子どもの間口を広げつつ、運動神経の発達に寄与しようというわけだ。篠原氏が続ける。
「野球をやってもらえたら一番うれしいですが、バスケットボールやテニスなど、ほかの種目に進んでもらってもいい。一番大事なのは子どものころに『運動が苦手』という意識がなくなり、スポーツを好きになってくれること。大人になっても運動を続けてくれて、一生健康でいてくれるきっかけになればうれしいです」
スポーツアカデミーの参加者には・・・
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