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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「巨人がだらしないから阪神は楽に勝てた 日本ハムの秋季キャンプ、実戦に即した練習をせよ」

 

阪神・岡田監督


ほかの監督に比べ勉強している岡田監督


 阪神が日本一を達成した。

 私がこの連載で指摘してきたことを今年の阪神は実践した。

[1]打順・ポジションの固定化
[2]センター中心に打ち返す打撃
[3]捕手が投手を育てる

 捕手はシーズン途中に梅野隆太郎がケガで離脱したが、代わった坂本誠志郎が投手陣をよくリードした。

 岡田彰布監督は確かにオリックスで監督を経験し、ほかの監督に比べれば勉強している。だが、裏を返せば、それだけ巨人が弱かった証拠だ。私の感覚では、阪神は歴史的に2位か3位のチーム。巨人がだらしないから楽に勝てたのだ。

 前巨人監督の原辰徳は父親(原貢氏)が亡くなってからタガが外れた。自分が使いやすい選手を都合よく使った。ポジションをあちこち動かし、足の速い選手を代走専門のように起用。攻守走三拍子そろった選手に育てようという考えがない。これでは原が育った東海大相模高、東海大の名が泣く。母校の名誉のためにも頑張らなければいけない。人間、死ぬまで勉強だ。

「巨人の野球」を復興させるべき


 このオフ、巨人は3日間で2件のトレードを成立させたと報じられたが、オリックスから金銭トレードで獲得した近藤大亮は32歳だという。

 アメリカでは、個人の数字以上に、チームに好影響を与える選手を獲る。昔、400勝投手の金田正一が国鉄から移籍してきたとき、練習から食事面から、その姿勢を見て巨人の選手たちは刺激を受けた。ところが、近年の巨人はどうだろう。他球団で生まれ育った選手をありがたがって、頼ってばかりだ。大間違いである。

 阿部慎之助監督に代わって、「巨人の野球」を復興させるべきだ。実際に新体制は前監督時代より良いことをやっている。

新庄監督には期待していたが……


日本ハム・新庄監督


 各球団は秋季キャンプに入っている。日本ハムのキャンプ中継を見ていて腹が立った。ストライクが入らない投手に担当コーチは文句ひとつ言わない。内野ゴロを捕った野手は一塁へ全力で放らず、しかもコントロールが悪い。

 南海で「百万ドルの内野陣」を形成した蔭山和夫さんは「いいか、ヒロ。(一塁へ)投げるときに相手を見たらもう遅い。投げる前に一瞬見ろよ」と教えてくれた。ただスローイングすればいいというものではないということだ。

 日本ハムは実戦に即した練習をやっていない。本番になって通用すると思っているのか。

 そうでなくても新庄剛志監督の就任以来、2年連続最下位。球団フロントは、彼が面白いパフォーマンスをやるから監督をやらせているだけだと思う。来年もBクラスになるようなことがあれば、観客もいい加減愛想をつかす。そうなれば即クビである。

 私が気に入らないのはコロナ禍が明けたのに、いまだにマスクをしていることだ。ファッションなのか、太った顔を隠すためなのか分からないが、マスクをしたら抵抗力がなくなる。それがなぜ分からないのか。

 監督就任当初は、球界に革命を起こす存在として私は新庄に期待を寄せた。こんな成績では、どうしようもない。

 もう一人、期待を裏切ったのは中日立浪和義監督である。

 彼は現役時代に優秀な内野手だったが、監督としてはまだまだ勉強不足だったと言える。貫録が備わっていない若手選手に中軸を打たせてどうするのだ。本来、中日には良い選手がたくさんいる。外国人も使う必要はない。

 新庄、立浪に限らず、今は監督像が崩れている。美しい花を咲かせるためには、愛情をこめて肥料をやらなければいけない。

 太陽とは好き嫌いを超越して、どんな人間をも平等に照らす。そんな監督になるべきだ。

PROFILE
廣岡達朗/ひろおか・たつろう●1932年2月9日生まれ。広島県出身。呉三津田高、早大を経て54年に巨人入団。大型遊撃手として新人王に輝くなど活躍。66年に引退。広島、ヤクルトのコーチを経て76年シーズン途中にヤクルト監督に就任。78年、球団初のリーグ制覇、日本一に導く。82年の西武監督就任1年目から2年連続日本一。4年間で3度優勝という偉業を残し85年限りで退団。92年野球殿堂入り。
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