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日本生命 セ・パ交流戦2024

日本ハム・交流戦とともに“新庄劇場”開演 今年のファイターズ、そして新庄監督はひと味もふた味も違う

 


 超満員に埋め尽くされた甲子園で、ド派手な劇場が開演した。初戦が雨で流れて迎えた5月29日の阪神戦。試合前のメンバー表交換でスタンドが騒然となった。新庄剛志監督が現役時代の古巣である阪神のタテジマユニフォームで登場。背番号は入団時の『63』、背ネームには漢字で『新庄監督』と入れた特注ユニフォームをまとい、両手を広げながら本塁付近へ歩み寄ると、敵将・岡田彰布監督も笑顔で迎え、恒例のハイタッチこそなかったものの、ガッチリと固い握手をかわした。

5月29日の甲子園での阪神戦、新庄監督はメンバー表交換の記念撮影を終えるとマウンド方向へ進みファンへ感謝の意を示した


 球団フロントにも審判団にも岡田監督にも極秘で敢行した、まさに正真正銘のサプライズ。さらにNPBから警告まで受けたことを明かしたが、「阪神ファンのみんなが思い出してくれたらっていうか。63番がデビューなんで。それが聞けたら、いくら怒られても別にいいです」とファンへの思いを語った新庄監督。だが、今季の指揮官は、パフォーマンスだけでは終わらない。

 この日の試合は大胆な打順の組み換えが功を奏し、大技小技を交えて8対2で勝利すると、翌30日の同カードでは先発登板の山崎福也を六番で起用。すると打っては先制の中前適時打、投げては7回無失点の二刀流の活躍で6対0の快勝。指揮官のタクトが冴えわたり、2年前は甲子園で3連敗を喫した昨季の日本一チームに連勝という最高の交流戦スタートを切った。

「強いな、ファイターズ変わったなってスタンドのみんなも思ってくれたと思う」と笑顔を見せた新庄監督。阪神のユニフォームを着用して岡田監督とメンバー表を交換した際には、「お前、あんなパフォーマンスせんでも勝てるチームやろ」と声を掛けられたという。

 そう、今年のファイターズ、そして新庄監督はひと味もふた味も違う。パフォーマンスと勝利を両輪で追求できるのだ。

写真=毛受亮介
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