プロ野球の世界では近年、テクノロジー、データの活用が進んでいるが、少年野球の世界でも同様だ。野球動作解析アプリ「ForceSense」が徐々に広まっている。同アプリはいかなるものなのか。実際に指導で使用している「多摩川ボーイズ」の練習を訪ねた。 取材・文・写真=内田勝治 「多摩川ボーイズ」でロングティーを行う選手のデータ測定を行う渡辺さん[左]。中央は片岡監督
データを知るための“入り口”として
これからはプロやトップアマのみならず、少年野球の世界でも手軽にデータを測定できる時代が到来するかもしれない。スポーツ界でテクノロジーとデータを活用するソフトウェア開発をメインに行う「株式会社NineEdge(ナインエッジ)」が今年4月から人工知能(AI)による野球動作解析アプリ「ForceSense(フォースセンス)」をリリースした。
「ForceSense」はスマートフォンでアプリを起動し、ピッチングやバッティングを撮影した動画をアップロードするだけで、球速やスイングスピード、体の軌道や高さ、傾きなどを即座に可視化。2つの動画を表示する機能も搭載しているので、過去と現在の自分のフォームを見比べたり、あこがれの選手と比較することで、改善点などを容易に見つけることができる。
同社で代表取締役CEOを務める渡辺一矢さんは、「開発には3年ぐらいかかりました」と、その経緯を振り返る。
「会社の創業が2020年11月で、『ForceSense』は21年から研究、開発を重ねてきました。昨年からベータ版(試験運用版)として提供を始め、そこから検証を重ねて、今年の4月から正式版としてリリースしました。今はベータ版を合わせて約1万人のユーザーに使っていただいています。年代は10歳から13歳が多いですね」
使用してほしいのは、まさに小中学生ら、野球やスマホの“エントリー世代”だ。渡辺さんは、
田中幸雄(元
日本ハム)や
山本由伸(ドジャース)らを輩出した宮崎の名門・都城高で白球を追いかけた元高校球児。ただ、非効率な練習で右肘を痛め、プロの夢をあきらめた過去がある。
近年でこそ、データを取り入れた上で効率的に練習を行うチームが増えてきたが・・・
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