週刊ベースボールONLINE

SMBC 日本シリーズ 2024 3位からの下克上か、覇者の貫録か――

<ソフトバンク×DeNA>四番の一発で主導権ガッチリ 序盤に得点重ねて盤石の試合運び/日本シリーズ第2戦

 

熱き最終決戦が火蓋を切った。リーグ3位からCSを突破したDeNAは下剋上での26年ぶりとなる頂点を目指すが、相まみえるパの覇者・ソフトバンクも、4年ぶりの日本一奪還へ目の色を変える。10月26日に横浜スタジアムで幕を開けた日本シリーズ。第1、2戦から互いの意地がぶつかり合った。

1回表二死一塁から山川が左翼席に2ラン本塁打を放ってソフトバンクが先制する


効果絶大の先制パンチ


 本拠地で連敗は避けたいDeNAだが、ソフトバンクも地元Vの可能性を高めるためにも連勝で福岡へ帰りたい。雨中の試合となった第2戦は、前夜に奮わなかったソフトバンクの“役者”が仕事を果たした。

 いきなり試合を動かす。1回表二死一塁で打席には、第1戦は無安打に封じられた四番・山川穂高。2球で2ストライクに追い込まれるも、1ボールを挟んだ4球目のカーブが高く浮き、左の肩口から入ってくる。本塁打、打点のパ・リーグ2冠の主砲は甘いボールを逃さず、高々と打球が上がる。「打った瞬間どうかなと……」と振り返るも、左翼席への先制2ランとなり、ソフトバンクが早々に試合の主導権を握った。

 援護を受けたソフトバンク先発のリバン・モイネロは安定した投球で凡打の山を築く。打線も攻撃の手を緩めず、3回表は今宮健太、山川の連打で無死一、二塁とすると、四球を挟んで一死後に牧原大成が右前へ適時打を放ち、右翼手・梶原昂希のファンブルも重なり2点を追加。なお、一死二、三塁から甲斐拓也が右翼への犠飛で中押しすれば、4回表は再び山川だ。三遊間に鋭い打球を放つと、雨で濡れた人工芝が球足を加速させ、遊撃手・森敬斗のグラブをはじく一打で、リードを6点に広げた。

ソフトバンクは3回表に牧原大の適時打などで3点を追加する


 追うDeNAは5回裏に森が投手強襲の安打で出塁、代打・松尾汐恩が二塁打で続き、一死二、三塁から桑原将志の左中間を破る二塁打で2点を奪取。そして7回裏に相手先発・モイネロをマウンドから引きずり下ろす。桑原、梶原、牧秀悟の3連打で1点を返した。ジリジリ迫るDeNAは、逆転機を整えるべく救援陣が奮闘。5回以降は一人の走者も出さず、さらなる反攻を待った。

追うDeNAは7回裏に牧の適時二塁打を含む3連打で3点差に


 だが、ソフトバンクの救援陣も強力だ。「6対0からひっくり返されたら、このシリーズ(の流れ)を左右しかねない」と言うソフトバンク・小久保裕紀監督の不安を払拭。7回裏二死一、二塁から登板の二番手・尾形崇斗は適時打を浴びたものの、リードを守り、8回裏はダーウィンゾン・ヘルナンデスが3人斬り。9回裏は「昨日は2点リードから(9回に)3点入ったのでなかなか難しい。今日は本当にセーブシチュエーションでしたから」と指揮官が変わらぬ信頼を寄せるロベルト・オスナがマウンドへ。前夜の3失点の不安を一蹴するように、クローザーが三者凡退で封じて華麗にリベンジ。第1戦は無安打の四番の一発で先制し、失点した抑えが試合を締める。“軸”が仕事を果たす盤石展開でソフトバンクが連勝を飾り、戦いの場を福岡へ移した。

9回裏はソフトバンクのクローザー・オスナが、前夜の3失点の不安を一蹴する三者凡退で締め、敵地・横浜で鷹が連勝を飾った


■2024日本シリーズ第2戦 @横浜スタジアム
■10月27日(日)
◆試合開始18時33分(試合時間3時間46分)◆観衆3万2953人

【ソ】○リバン・モイネロ、尾形崇斗、ダーウィンゾン・ヘルナンデス、ロベルト・オスナ-甲斐拓也
【デ】●大貫晋一佐々木千隼濱口遥大中川颯坂本裕哉伊勢大夢-戸柱恭孝、松尾汐恩

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング