世界トップの12カ国が“世界一”をかけて争うプレミア12だが、同大会に出場するメキシコは近年急速に力を伸ばしている。同国の野球リーグも右肩上がりの成長。知られざるメキシコ野球の最新事情を短期集中で連載していく。 文=中島大輔 写真=龍フェルケル 今年はディアブロスでプレーし、胴上げ投手となった安樂
野球のレベルは「3Aに匹敵する」
メキシコで4〜9月に開催されるプロ野球「リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(LMB)」は今年発足から99年目を迎えた。今季は外国人選手枠が7人から20人に拡大されるなど転換期にあるなか、10年ぶりに優勝したディアブロス・ロホス・デル・メヒコの胴上げ投手になったのが元
楽天の右腕・
安樂智大だ。
「“あの経験”がなければ国を越えて野球をすることもなかったかもしれない。国を越えたことによってドミニカ人やメキシコ人、アメリカ人と野球を通じて触れ合えています。本当にいい経験になっていますね」
今年5月末、首都メキシコシティの本拠地を訪れると安樂はそう語った。昨年パワハラ騒動という形での退団になったが、ディアブロスの春季キャンプにテスト参加してからセットアッパーの座を勝ち取り、異国で得難い経験を積んだ。
「皆さんの思っているメキシカン・リーグとは今年、変わっています」
安樂も話すように外国人枠の拡大、そして2球団が参入して20球団(2地区制)になったLMBは大きくレベルアップを遂げた。安樂によるとアメリカの「3Aに匹敵する」という声も選手間で出ているという。
対して、LMBの職員でメキシコ代表のGMを兼任するパトリシオ・ペレス氏はこう語る。
「10〜20年前、LMBは日本の独立リーグと同レベルだったかもしれない。でも現在、LMBで契約を勝ち取るのは簡単ではない。安樂や元大物メジャー・リーガーもプレーする場所になっているからね」
マーケティングで収益拡大、外国人枠増で大物選手を迎えやすい状況をつくり、投資が活発になっているのが現在のLMBだ。以前は・・・
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