NPBドラフトにおいて、独立リーグ選手の指名はもはや見慣れた光景だ。各リーグの選手、球団、運営による努力が結実した結果にほかならないが、BCリーグ、四国アイランドリーグplusともに現状に満足することはない。新体制や新たな取り組みで、野球界にさらなる存在感を示す。 【BCリーグ】2年ぶりに8球団に

2024年は大逆転でのリーグ制覇を果たした神奈川。東西地区制に戻る25年に連覇を目指す[写真=神奈川球団提供]
ルートインBCL(ベースボール・チャレンジ・リーグ)の2025年シーズンは、新たに山梨が参入し、2年ぶりに8球団でリーグ戦を行う。再び地区制に戻り、東地区(BC-East)は福島、茨城、栃木、群馬、西地区(BC-West)は埼玉、神奈川、山梨、信濃が所属する。
西地区では、24年に4年ぶり2回目のリーグ優勝を飾った神奈川が連覇を目指す。11勝を挙げた主戦投手が抜けた穴をどう埋めるかが課題。新任の
武藤孝司新監督(元近鉄)の手腕が早速試される。その神奈川をプレーオフで破り、「日本独立リーググランドチャンピオンシップ」で初の日本一の栄冠を勝ち取った信濃は25年も打線が強力で優勝争いの中心となる。23年の王者・埼玉や新規参入の山梨も頂点を虎視眈々と狙っている。
東地区では、福島と栃木で長く指揮してきた監督が退任し、福島が
沖泰司氏(元
日本ハム)、栃木は
山下徳人氏(元
ロッテ)がそれぞれ新監督に就任した。また茨城は運営会社が変更となる。群馬は
岡島秀樹氏(元レッドソックスなど)が投手コーチに就任。変化のあった4球団がどんなチームに仕上げ、どんな戦いを見せるのか注目が集まる。
BCLからは24年秋のドラフトで2人が支配下指名、3人が育成指名を受け、計5人がNPBの扉を開けた。24年春、リーグ運営会社の社長に就任した上野馨太代表は「NPBに選手を送り出すこと」と併せて「地域貢献活動に力を尽くすこと」の2つを柱に掲げている。今季も各球団が野球を通じた人材育成と地域貢献に汗を流す。
24年12月2日には千葉県民球団の準加盟が承認され、正式加盟に向け活動を始めている。26年に創設20年目となるリーグが新たな価値を創造できるか試される1年にもなるだろう。
BCLのリーグ戦の開幕日は4月5日で、キャンプインの解禁日は1カ月前の3月5日が予定されている。(取材・文=岡田浩人)
【四国アイランドリーグplus】節目に誓う新たな取り組み

2024年の秋のドラフトで4人をNPBへと送り込んだ徳島を筆頭に、選手育成と並行して新たな取り組みにも挑戦していく
2024年12月4日、四国リーグの20周年記念パーティーが盛大に開催された。冒頭、四国リーグ代表、馬郡健氏があいさつする。
「私、携わって8年ぐらいなんですけど、いまだに何に独立してるか分かんないんです」
四国、日本球界における存在感は独立している。しかし、野球界の傘の中にしっかり入っており、独立はしていない。
「四国アイランドリーグ20周年“独立していない”リーグとして、引き続き皆さまのご支援をいただければと思います!」
会場が大きな拍手に包まれた。
24年のドラフト会議では、四国リーグから計8人がNPBへと羽ばたいている。4人が指名された徳島は、前人未到の12年連続ドラフト指名という金字塔を打ち立てた。
だが、徳島を追随するように愛媛、高知も2人ずつをNPBに送り込んだ。徳島の育成方法を良い手本にして、それぞれの育成メソッドが完成されつつある。
NPBに選手を輩出するリーグとしては、一定の価値を構築できている。四国リーグの根幹をなすこの部分は、引き続き研ぎ澄ませていきたい。馬郡代表は、そう考えている。
25年は海外との懸け橋にもなりたい。選手を海外から受け入れるだけでなく、KBO(韓国)への移籍が話題となった
白川恵翔投手(徳島)のようなケースも増えることだろう。
さらに四国リーグジュニアチームも結成された。12月末に開催されたNPBジュニア球団トーナメント『KONAMI CUP 2024〜第20回記念大会〜』に招待されている。
馬郡代表が抱負を語った。
「『独立』って自分たちで疎外感のある名前で呼んでるんですけど、だいぶ認めていただける部分もできたと思います。簡単に言うと、ブランド力アップみたいな話なんですけど、そういうことを真剣に考えて、次の10年の形を作っていきたいですね」
20年間積み重ねてきたものを、次の21年目にも──。(取材・文=高田博史)