3月5、6日に行われたオランダとの強化試合。侍ジャパンの井端弘和監督はメンバー選考の段階から明確な課題を提示していた。2試合から見えてきたものとは。 取材・文=杉浦多夢 写真=毛受亮介 【侍ジャパンシリーズ オランダ戦REVIEW】はこちら 【第1戦】日本 5-0 オランダ 【第2戦】オランダ 0-9 日本 
井端監督は確かな意図を持って強化を進めている
【POINT1】長打力・連打が望めぬ中での重要性
2試合を終えて井端弘和監督は「(2026年の)WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は投手中心で」とあらためて侍ジャパンのストロングポイントを強調し、「長打の打てるバッターは意味がある。その意味でいい強化試合だった」と言葉を続けた。「当然、ホームランが出れば点が入るが、二塁打や三塁打でも点につながりやすい」という成果が見えたからだろう。
いきなり満点の回答をたたき出したのは初選出の
水谷瞬だ。第1戦の初回、「一番で起用されたので勢いを持ってこられる打席にしようと思った。1球で仕留めようと準備したことが結果につながった」とカウント0-1からファーストスイングで先頭打者弾。同僚の
万波中正も「ジェッシー(水谷のミドルネームで愛称)はすごい。おかげで少し楽に試合が進めた」と一発の効果をたたえる。その万波も6回に先頭打者で二塁打を放って追加点を演出した。
若手だけではない。
阪神の主砲もあらためて力を見せつけた。
大山悠輔は第2戦の5回、3対0となった直後の二死から「場面も狙っていいと思ったので、いいスイングができた」と、狙い撃ちで左翼ポール際へソロ弾を放ち、指揮官からも「ガラッと流れを変えられるくらいの力がある選手」という賛辞を引き出している。
2試合とも着実に得点を重ねた一方で、連打は2度。「3、4連打が望めない中で、一振りで仕留めることが大事になる」と指揮官が語る攻撃面における方針は、WBC本番まで継続されていくことになる。
【POINT2】中継ぎ左腕・指揮官の選択肢が広がる
国際大会において各国がそろえる左の強打者に対し、火消しを含めていかに抑え込んでいくか。この2試合でテストされたのが・・・
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