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球界 MEMORIAL DAY

<引退試合>ソフトバンク・和田毅 愛と感謝にあふれた集大成「野球人としての本能が出たんじゃないかな」

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昨季限りで22年間のプロ野球人生に終止符を打ったソフトバンク和田毅が、再び背番号『21』のユニフォームで本拠地・みずほPayPayのマウンドに上がった。昨季中は開催することを固辞した最後の晴れ舞台。3月15日、レジェンド左腕は充実感に満ち満ちていた。
写真=湯浅芳昭

2025.3.15@みずほPayPay H 4-2 F

マウンドに訪れた小久保監督からの声掛けにも、この笑顔


 引退を惜しむ涙のような雨が降りしきる中、本拠地・みずほPayPayはどこまでも温かい空気に包まれていた。その中心にいたのが、昨季限りで現役を退いた和田毅。3月15日の日本ハムとのオープン戦で、引退試合と引退セレモニーが行われた。

 昨年11月5日の引退会見のときと同様、終始、爽やかな笑顔でキラキラと輝いていた。試合前の練習着に、背番号『21』のユニフォーム。どれもまだまだよく似合う。最後のマウンドに向かう左腕の背中を後押ししたのは、シンガー・ソングライターの冨永裕輔さんが作詞作曲した登場曲『21(トゥエンティワン)』の生歌。和田の「感謝の思いを伝えたい、感謝の気持ちを歌にしてほしい」と願いの下、作り上げられた歌詞の中には「すべての人へ」「愛する人へ」「見守っていてくれてありがとう」というフレーズが並び、今日という日により一層リンクした。

 最後の対戦相手は清宮幸太郎だった。初球は133キロの真っすぐで、2球目はスライダーで、連続見逃しストライクを奪うと3球目はこの日最速となる135キロをマーク(結果はボール)。最後は、外角低めに134キロの真っすぐを投げ込んで空振り三振に。「120点満点。野球人としての本能が出たんじゃないかな」と語る渾身の4球だった。

最速135キロを含む4球で空振り三振


「自分はやり切ったんだなと。22年間、プロ野球人生を全うできたなと思いました」。その言葉に尽きる。

 試合終了後に行われたセレモニーでは、和田の口からたくさんの感謝の言葉が伝えられた。早大時代の恩師である野村徹監督(当時)からのメッセージや家族、特に愛娘の顔を見ると熱いものがこみ上げてきたが、それでも笑顔を絶やさず、「ありがとう」を続けた。

場内一周した後、両チームが集まっての胴上げでは9回、宙を舞った


 第2の人生もホークスのために“腕を振るう”。1月27日には球団から、球団統括本部付アドバイザー就任が発表された。業務内容は「スカウティング活動のサポート・トレーニング部門へのアドバイス」だという。その傍ら、一ホークスファンとしてもチームを見守っていく。

「ホークスの新しい未来のある選手たちを応援してほしい。全国のホークスファンと応援していきたいです」

 どこまでも、ホークスとともに――。

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