前人未到の領域に踏み入った。4月9日の阪神戦(甲子園)で、ヤクルト・石川雅規が今季初登板し、NPB最長となる24年連続勝利を達成。現役最年長45歳の小さな大投手は、掲げる目標へまた一歩近づいた。 写真=宮原和也 もちろん、この1勝で満足はしない。4月9日の阪神戦(甲子園)、先発・石川雅規が5回5安打3失点で今季初登板初勝利。
工藤公康(元
西武ほか)、
山本昌(元
中日)、
三浦大輔(元横浜・
DeNA)の23年を上回る、プロ野球史上初の24年連続勝利を達成した。だが、かねてより「記録は引退してから振り返りたい」と語る左腕は、「またチームに勝利を持ってこられるように、また次の登板に向けてしっかりと準備していきたい」と余韻に浸ることなく次を見据える。
反撃を信じて腕を振った。5回二死、131キロ直球で四番・
大山悠輔を右飛に抑え、初の三者凡退でリズムをつくると、6回に味方打線が5点を奪い逆転に成功。後輩4投手が無失点リレーでつなぎ、83球の粘投に白星がもたらされた。

左手に持ったウイニングボールは「まずは家族にしっかりと渡したい」
球速は140キロに届かず、身長167cmの体はマウンドに立ってもなお小さい。それでも、「考え方であったり、取り組み次第で何とか自分の良さを出して、一軍のゲームで勝負できるところを24年間やってきた」と巧みな投球術を武器に、猛者集う地で生き残ってきた。
通算187勝。あと13に迫る大台は原動力だ。「200勝は大きな目標ですし、自分自身にも『これからどれくらいやれるのかな』と期待を持ってやれている」。齢を重ねても明日に希望を見る。45歳の球界最年長は現状に満足せず、「また次」の1勝へ向け準備を進める。
PROFILE いしかわ・まさのり●1980年1月22日生まれ。167cm73kg。秋田県出身。[甲]秋田商高-青学大-ヤクルト01自=24年。