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結成100周年の東京六大学で早大がリーグ3連覇 明大との優勝決定戦を制し3季連続49度目の優勝!

 

学生の手によって胴上げされる小宮山監督。目指すは「4連覇」である[写真=矢野寿明]


明治の底力とは


 昨年は早大として、9年ぶりの春秋連覇。3連覇が懸かった今春、開幕2カード目の立大戦で勝ち点を落とし、黄色信号が灯った。明大1回戦を落とし、あとがなくなった。

「怒涛の5連勝」

 2019年1月1日から母校・早大を率いる小宮山悟監督は、学生たちに伝えた。崖っ縁に追い込まれるも唯一、残された可能性だった。明大2回戦でエース・伊藤樹(4年・仙台育英高)が、リーグ史上26度目のノーヒットノーランを遂げた。0対0。伊藤樹が9回表まで無安打に抑え、その裏、四番・寺尾拳聖(3年・佐久長聖高)がサヨナラ打。息を吹き返した早大は明大3回戦で、勝ち点を挙げた。

 明大が先に第7週で全日程を終え(9勝4敗、勝ち点4)、優勝決定戦へ持ち込むには、第8週の慶大戦での連勝が条件。重圧を乗り越え、昨秋に続く明大とのプレーオフへと持ち込んだ。早大は1回裏に4点を先制。追う明大は3回表、昨春から先発で5連敗中(秋の優勝決定戦での完封負けを含む)と苦手としていた伊藤樹を攻め立て、犠飛と適時打、四番・小島大河(4年・東海大相模高)の3ランで逆転に成功した。劣勢に強い早大は5回裏、寺尾の2点適時打で逆転。伊藤樹は4回以降は立ち直り、1点のリードを守った。伊藤樹は明大2回戦から優勝決定戦まで5連投。小宮山監督が逆転Vのシナリオとして描いた「怒涛の5連投で5連勝」を体現したのだった。

 小宮山監督は冷静に振り返った。

「明治の底力を見た。苦戦していた伊藤樹から5点。ウチが逆の立場だったら? できません。そこが、ウチと明治の差。その差が何かと言えば、日ごろからの生活態度です。ウチの連中は、ちょっとしたところで、なっていない部分が散見している。彼らに言いました。『秋に4連覇したいならば、だまされたと思って、細部まで意識すれば絶対に、4連覇を取れる』」

 具体的には、何をすべきなのか。

「徳を積むことで、位が上がる。人として当たり前のことを、当たり前にできるか。意識的に一歩、踏み出すことで、大きな進歩になる。この春は、土壇場から怒涛の5連勝。これは、なかなかできるものではない。今回は試合を重ねるごとに本当に強くなっている。これは楽しみです」

夏の猛練習を予告


 東京六大学では過去に6度の4連覇がある(法大3度、明大、立大、早大は各1度)。早大は野村徹監督が率いた2002年から03年秋。02年は和田毅(元ソフトバンクほか)がけん引し、翌03年は旧チームからの中心選手だった青木宣親(元ヤクルトほか)、鳥谷敬(元阪神ほか)らの強力打線でV4を達成した。小宮山監督にとって、88歳の野村氏は父親のような存在。二期にわたり指揮した石井連藏元監督の教え子という共通点があるからだ。野村氏は昨季限りで現役を引退した「和田の(連盟結成100周年記念のレジェンド)始球式を見届けたい」と、今春の早慶戦1回戦を観戦するため、大阪から上京してきた。小宮山監督は優勝決定戦後、すぐに電話でV報告をした。

「『選手に感謝しろ。選手のおかげや』と言われました。『4連覇、5連覇を目指して頑張れ』と激励の言葉もいただきました。可能性があるならば、そこを目指します。何とか4連覇を成し遂げて、六大学史上初の5連覇。そのステージに立てるかは秋次第なので。秋勝つには夏、鍛えます。そしてこの秋、4連覇をかけた早慶戦に、野村さんにはお出ましいただきたい。秋晴れの中で早慶6連戦(野村氏が正捕手だった1960年秋に逆転優勝)を思い出していただければ、ありがたいです」

 日本一を目指す過程で、避けて通れない東京六大学制覇。「天皇杯を守る」。小宮山監督は決意を新たにした。(取材・文=岡本朋祐)
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