プロ野球が変わる。セ・リーグは8月4日の理事会で、2027年シーズンから指名打者(DH)制を採用することを正式に決定したと発表した。1975年にパ・リーグが導入してから50年。セ、パ両リーグが、基本的には同じシステムで行われることになる。その歴史、背景について探った。 
今季のパ・リーグのDH部門で活躍しているのは日本ハム・レイエス。うまく活用することもカギを握る[写真=高原由佳]
選手寿命に影響も
ここ数年、セ・リーグもDH制度について議論を重ねてきたが、一部の球団が反対するなど足並みがそろわずに「9人野球」が続いていた。
しかし、2022年にMLBのナ・リーグがDH制を採用したのをはじめ、国内でも東京六大学野球連盟が4月10日、関西学生野球連盟が5月29日に26年春からの導入を発表。高校野球も、日本高野連が8月1日に26年春からの導入を発表した。MLBや国内のアマチュア球界が一斉にDH制へかじをきったことで、セ・リーグも導入に踏み切った形だ。
NPBの榊原定征コミッショナーは談話を発表し、「アメリカMLBでは2022年にナ・リーグがDH制の導入を決め、1973年に導入したア・リーグとともにDH制を『ユニバーサル制度』に指定しました。また、近年以降国内外の大学・高校においてもDH制の導入が進展しております」と周囲の環境の変化を強調。その上で、「NPBはMLBとともに世界の野球をリードする国の一つとして、世界の潮流に柔軟な姿勢で臨むのは重要なことであり、NPBの野球レベルをさらに向上させ、ファンの皆さまのご期待に応えるために何が必要かを常に追求していかなければなりません」と世界的な球界の動向に合わせることが重要との考えを示した。

DH制導入を受けて、NPBの榊原定征コミッショナーは談話を発表した[写真=高原由佳]
今や、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やプレミア12をはじめ、年代別の大会を含めても主な国際大会ではDH制が当たり前だ。海外のプロリーグでも韓国は82年、台湾は90年の発足時からDH制。中南米のリーグも早い時期からDH制を採用している。
MLBでもナ・リーグが導入したことで、世界の主な国で「9人野球」を続けていたのは日本のセ・リーグと一部のアマチュア団体のみだった。そして、いずれも大正時代や昭和初期から100年前後の長い歴史を誇る高校野球や東京六大学、関西学生が相次いでDH制の導入を決めたことで、セ・リーグには導入以外の選択肢がなくなったようにも見える。
ア・リーグが73年にDH制を導入した理由は、投手の代わりに野手を打順に組み込むことで・・・
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