侍ジャパンU-18壮行試合が8月31日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われた。「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」に出場する高校日本代表と、7月の日米大学選手権で5戦全勝優勝を遂げた大学日本代表が対戦。8対1で大学日本代表が勝利したが、試合内容は本戦に向けて収穫多き一戦だった。 写真=上野弘明 
沖縄セルラースタジアム那覇には6725人の観衆。大学日本代表・堀井監督は「沖縄尚学さんが夏の甲子園で優勝して沖縄の野球熱は盛り上がっていると聞いていた。大勢のファンからこちらも励まされ、気持ちが高ぶった。良い試合をやらせてもらった」と話した
木製バットへの対応力
大学日本代表を指揮する堀井哲也監督は、グラウンドインするとすぐ異変に気づいた。「小倉(小倉全由)監督に聞くと、打っているのは藤森君(
藤森海斗)だと。バットの出し方、捉え方が良い。ボールに対して素直にバットが出ている。飛ばそうとすると、下から出る。ベルトから上はたたいていかないと、ライナー性は出ないですからね。藤森君以外も、バットの軌道がすごかったです」。高校生は毎年、侍ジャパンで木製バットへの移行に苦慮する。それが、今年はチーム結成4日目にしてクリアされていたのだ。

高校日本代表の唯一の得点は、5回裏一死二塁から藤森の中前適時打。初回にも中前打を放っており、小倉監督は「よく(大学生のボールに)ついていっている」と評価。この試合は左翼と捕手を守り「助かっている」(小倉監督)と称賛していた
なぜ、対応できたのか。昨春に完全移行した低反発である新基準の金属バットの影響が大きい。導入2年目となり、現場も順応してきたようだ。小倉監督は語る。「木製バットに近いスイングでないと打てない。スイング自体が変わってきている。慣れるまではまだまだですが、大学生の投手にもついていけていた」。唯一の得点となるタイムリーを放った藤森、四番・
阿部葉太はそれぞれ2安打と結果を残した。チームとしては計7安打。小倉監督は「大学生のキレのある変化球、力のあるストレートをよく打っていた。(バットを)外から出したら打てない。(インサイドアウトの)木製の基本のスイングになっている」と手応えを得ていた。

高校日本代表をけん引する主将・阿部は2安打。この試合は四番を任され、小倉監督は「中心になる」と、期待を寄せている
一方で、日本の投手陣は、どのカテゴリーでも世界トップレベル。今回の選出メンバーにも全幅の信頼を寄せており、8失点にも不安はない。「(今日投げた8人も)自分の色を出していた。7イニング制のゲームで今日はこのメンバーと決めていけば収まってくれる」。メンバー20人。10日間で最大9試合を消化しなければ、世界一をつかむことはできない。複数ポジションをこなせる選手を選んでおり、小倉監督は「助かっています」と明かす。

高校日本代表は158キロ右腕・石垣元気が9回表に救援。1失点したが、小倉監督は「任せていきたいと思います」と、大会本番もクローザーを託す
堀井監督は2大会連続世界一を目指す高校日本代表に「日本の野球を信じること。地方大会、甲子園の舞台を踏んできた経験値。世界的に見てもすごい環境を戦い抜いてきたわけですから」と、熱烈エールを送った。高校日本代表は今年も、最高のお手本である大学生から多くを学んだ。

1991年夏の甲子園準優勝投手の沖縄水産高OBの大野倫さんが始球式を行った

大学日本代表は2回表、小島大河(明大4年・東海大相模高)の右越えソロで先制した。持ち前のバットコントロールの良さを見せている

大学日本代表は興南高出身の山形球道(立大4年)が7回表二死満塁から左前適時打で貴重な追加点。東京出身だが、3年間を沖縄で過ごし、第二の故郷で恩返しした。堀井監督は「苦しいところで突き放すタイムリー。(今春の)東京六大学の三冠王は良いパフォーマンスを発揮してくれた」とニンマリした

高校日本代表20人は8月28日に集合。29日に沖縄電力とのオープン戦、31日に大学日本代表との壮行試合、9月2日に沖縄高校選抜との壮行試合を経て、5日からの本戦に入る
■8月31日 侍ジャパンU-18代表壮行試合 沖縄セルラースタジアム那覇 観衆6,725人

[大]〇宮城、櫻井、毛利、山城、齊藤、有馬、中西、鈴木、佐藤-小島、前嶋、渡部
[高]●下重、中野、森下、辻、早瀬、坂本、奥村、石垣-横山、大栄、藤森
▽本塁打 小島[大]▽二塁打 小田、山形、繁永
■第32回 WBSC U18 野球ワールドカップ 高校日本代表チーム ■第32回 WBSC U18 野球ワールドカップ 大会概要 期間:9月5日〜9月14日