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早実2006 OB vs駒大苫小牧2006 OB記念試合

<早実2006 OB vs駒大苫小牧2006 OB記念試合>白球がつないだ友情 2006年夏の甲子園決勝 19年ぶりの再戦

 

2006年夏の甲子園決勝は、37年ぶりの再試合となった。早実(西東京)が73年ぶりの夏3連覇を狙った駒大苫小牧(南北海道)を下して、初の全国制覇を飾った。球史に残る頂上決戦から19年後、当時のメンバーが北海道に集結。早実OBの斎藤佑樹氏(元日本ハム)が手がけた「はらっぱスタジアム」(長沼町)で9月6日、ライバルとの再戦が行われた。
写真=高原由佳

早実OB・斎藤佑樹氏が手がけた「はらっぱスタジアム」で駒大苫小牧との再戦が実現。両チームのメンバーが集合写真に収まり、この日は欠場した駒大苫小牧・田中将大[巨人]の背番号1のユニフォームもあった


早実・斎藤は7回完投


 斎藤佑樹氏(元日本ハム)が手がける「はらっぱスタジアム」で、2006年夏の甲子園決勝の再戦が行われた。試合は早実2006OBが12対4で駒大苫小牧2006OBに勝利している。早実打線が1回表に打者11人の猛攻。一番・川西啓介氏の本塁打など一挙8得点で主導権を握る。駒大苫小牧も粘りを発揮。6回表は中沢竜也氏、7回表は三木悠也氏のソロで追い上げ見せ場をつくった。早実の先発・斎藤佑樹氏は7回4失点で完投した。

2006年夏の決勝は1対1のまま延長15回で決着がつかず引き分け。37年ぶりの再試合を早実が4対3で制した。19年前と同様、先攻は駒大苫小牧で後攻は早実。初回から早実打線が爆発し、12対4で勝利している


 早実OB・斎藤氏と「はらっぱスタジアム」の球場長を務める駒大苫小牧OB・本間篤史氏とのつながりで実現。斎藤氏は19年前の決勝では延長15回引き分け、再試合も9イニングを投げ、初の全国制覇へ導いた。この日も、一人で投げ切っている。

「19年前のメンバーとプレーできて、感無量です。110球を投げたのは、久しぶりでした。最後はあのときの記憶がそうさせてくれたというか、そんな思いで投げ切れました」

110球を投げ、7回4失点完投。最後は19年前と同様、センターに向かってガッツポーズを見せた


 7回には斎藤氏の代名詞だったハンカチで、汗を拭う場面も見られた。

「とりあえず、出さないといけない雰囲気だったので……(苦笑)。当時は余裕がなかったのですが、今日は余裕があったので使いました」

早実2006OBの先発・斎藤氏は当時、「ハンカチ王子」と呼ばれ、空前の人気で社会現象を起こした。7回には周囲の期待に応える形でハンカチを使用


 主将・本間氏は悔しさをにじませた。7回表の最後のバッターだった。

「当時もウチのエース(巨人・田中将大)が最後だったので……。今日は自分がラスト。ベンチの皆が『篤につなげ』と言ってくれた。皆の思いが伝わったので良かったです。試合は楽しかったですけど、悔しいです。本気の勝負。また、負けてしまった。佑ちゃんにまた企画してもらって、リベンジしたいと思います」

試合開始前には本塁前で整列。早実2006OBの主将・後藤貴司[右]と、駒大苫小牧2006OBの主将・本間篤史[左]が握手した


旧交を温める以外の目的


 唯一のNPB現役選手である巨人・田中将大には試合前日、本間氏が連絡。日米通算200勝まで1勝の状況で、最大限の気を使った。背番号1のユニフォームを準備。田中本人からの了承を得た上で、本間氏は自身が用意したクマのぬいぐるみに着させた。

「ウチのエースだけでなく、来られなかった人もいます。次は予定を合わせて、1年前ぐらいから練習して、より一層、本気でやりたい。(田中は)88年世代の顔。いけるところまで現役でいってほしいです」(本間氏)

「いつか、ちゃんとそろった状況で、皆で、楽しくやれたらいいですね。(田中は)僕らの世代のスターなので、頑張ってほしいです」(斎藤氏)

駒大苫小牧2006OBの四番・本間氏との対戦では、1安打を許した


 記念試合は、旧交を温める場だけではない。斎藤氏は別の目的を語る。

「この試合はある意味、きっかけに過ぎない。このメンバーで、次世代の子どもたちに残していけるものがある。集まることができて、人の輪が広がり、多くの人に伝えられたらいいです。この出会いに感謝です」

 本間氏は、球場長の立場で話した。

「はらっぱスタジアムは少年少女のためにつくられた球場です。自分たちの取り組みを見て、野球をやっていたら何年後も友情関係が続くんだよ、ということが伝わればいい」

 斎藤氏も、野球が持つ力を語る。

「駒大苫小牧との19年前の試合があったからこそ、ここに球場をつくった一つの理由でもある。また、この球場だけでなくて、発信できたらいい。意義のある試合だと思います」

 白球がつないだ友情は永遠だ。次回は東京で開催する予定だという。人と人の絆が野球の普及・振興に寄与する。

本間氏は斎藤氏が手がけた「はらっぱスタジアム」の球場長を務めており、試合後は天然芝が敷き詰められた外野で斎藤氏と友情を深めた

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