今シーズン限りでの現役引退を表明していた中田翔の引退試合が9月19日、本拠地バンテリンドームで行われた。四番・一塁で先発スタメンを飾り、現役最終打席は豪快な空振り三振。引退セレモニーでは涙を流し、心からの感謝を言葉に込めた。 写真=榎本郁也 2025.9.19 @バンテリンドーム 
胴上げは背番号にちなんで6回。「本当に幸せな時間。特別な瞬間でした」と中田
中田らしい最後だった。通算1784試合目は四番・一塁で先発スタメン。現役最後の打席は初回、二死一塁の場面で回って来た。ビーグルクルーの登場曲『MyHERO』が流れると大歓声が沸き起こり、中田が打席に入った。
ヤクルト先発の
吉村貢司郎は全球ストレート勝負。初球見逃しストライクのあと、続く2球は豪快にフルスイングしたものの、どちらもバットには当たらず三球三振。それでも「本当に久びさに気持ちのいいスイングができた」と口にした。2回表も一塁守備に就いたものの、途中でボスラーと交代。ベンチ前で
井上一樹監督が出迎えるとスタンドから大きな拍手が送られた。

通算7116打席目となる最終打席は空振り三振。中田らしい豪快なフルスイングで締めた
この日のバンテリンは、試合前から“中田一色”。数えきれないほどの花が届けられ、チームメートやスタッフは引退記念Tシャツを着用。スタンドも「NAKATA6」の青色のボードで埋まり“大将”の最後を見守った。
引退セレモニーでは
坂本勇人(
巨人)や
ダルビッシュ有(パドレス)らからメッセージが届けられ、サプライズゲストとして
日本ハムの
栗山英樹CBO、
稲葉篤紀二軍監督が登場。「僕にとってのお父さんとお兄ちゃん」の2人に花束を渡されると目を潤ませて抱き合った。

日本ハムの栗山CBOと稲葉二軍監督がビデオメッセージに続いてサプライズ登場
その後のあいさつは「緊張して台詞が飛びそうなので紙に書いてきました」と苦笑して始まったが、途中で涙で声を震わせるシーンもあった。
「あらためて心技体がそろわないと、この世界では活躍できないことが分かった」と述べ、「心残りはドラゴンズの力になれなかったこと。本当にすいませんでした」と口にした。

「中田翔、きょうで現役生活が終わります。日本ハム、ジャイアンツ、ドラゴンズでの18年間、本当に幸せでした。今まで本当にありがとうございました」
最後は温かい声援と大きな拍手に包まれながら場内一周。「もうこの光景をグラウンドからは見られない。拍手をかみしめながら一周しました」と18年間の現役生活を終えた。

引退記念Tシャツを着用しての記念撮影。中田は「このチーム、このメンバーで優勝したかった」と口にした
引退後については「まだ決まっていません。いろいろやっていきたい中で、野球に貢献していかないと」と言う一方で、指導者の道については「そういうのは今は考えていない。少し野球から離れたいという気持ちもある」と正直な思いも口にした。
記憶にも記録にも残る希代のスラッガーの最後の1日が終わった。
PROFILE なかた・しょう●1989年4月22日生まれ。
広島県出身。184cm107kg。右投右打。大阪桐蔭高では1年夏、2年夏、3年春の甲子園に出場。高校通算87本塁打を記録。2007年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。これまで3度の打点王に輝き、ベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞5度。13、17年WBC代表。21年8月に日本ハムから無償トレードで巨人に入団。23年11月に巨人との複数年契約を破棄して退団し、
中日に入団。通算1784試合出場、打率.248、1579安打、309本塁打、1087打点、1340三振。