9月17日、都内で2025年第2回プロ野球オーナー会議が行われた。大きな議題はなかったものの、会議後の会見ではWBCの放映権の話題に及んだ。現状ではネットフリックスの独占となりそうだ。 
オーナー会議後に会見に臨む榊原定征NPBコミッショナー[左]と日本ハムの井川伸久オーナー[写真=兼村竜介]
17日、都内で2025年第2回プロ野球オーナー会議と、一般社団法人日本野球機構(NPB)臨時社員総会が行われた。会議後にはNPBの榊原定征コミッショナーと、議長を務めた日本ハムの井川伸久オーナーが会見に臨んだ。NPB臨時社員総会では26年度予算と事業計画が報告され、26年9月期の予算については事業収支が約1.3億円の黒字となる見込みであることが示された。今期の収支については、日本シリーズやプレミア12などによる増収があり、7億円台を確保できる見通しで、これらの予算と事業計画案は満場一致で承認された。
オーナー会議では野球普及振興事業に関する報告も行われた。日本高等学校野球連盟と日本野球機構が連携協力し、全国の高校球児が地元の未就学児と野球につながるボール遊びを一緒に行うことで、幼児と高校生がともに成長し、地域社会にも貢献するという新たな取り組みがスタートするとの説明があった。また現在、中学生の野球人口は2年連続で増加しており、今後はその要因を分析したうえで、普及活動に活かしていく方針であるという。
報告後には質疑応答が行われ、榊原コミッショナーは、アメリカ動画配信大手ネットフリックスが来年3月に行われる第6回ワールドベースボールクラシック(WBC)の日本国内独占放映権を取得した件について言及した。
WBCの放映権はメジャー・リーグ(MLB)が運営し、WBCを主催するWBCIが保有している。榊原コミッショナーは、7月に
イチロー氏の殿堂入りセレモニーで渡米した際、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏と面談し、「昨年までは地上波で放送され、約5000万人が視聴していたが、ネットフリックスの独占配信となると視聴環境が大きく変わる。ライセンス決定の権限はMLBにあると思うが、何らかの形で日本の地上波でも放映できる仕組みを実現してほしい」と要請したという。

23年のWBC決勝で、大谷がトラウトから三振を奪い、優勝を決めた瞬間は午前11時43分という時間帯にもかかわらず、視聴率は46.0%を記録[写真=Getty Images]
しかし、その後の8月26日にネットフリックスが日本国内での独占放映権を正式に獲得したことを発表。契約金額については、前回は約30億円と推定されていたが、今回は約150億円と言われている。今回の決定は、NPBやWBC1次ラウンド東京プールの興行権を持つ読売新聞社を通さずに行われ、交渉のテーブルにすら着けなかったという。読売新聞グループ本社の社長を務める
巨人の山口寿一オーナーは「多くの人たちが視聴できるよう、働きかけを続けていきたい」と述べ、榊原コミッショナーも「NPBとして支援できることがあれば支援していく」と協力を惜しまない姿勢を示した。
日本側は今後、地上波でのディレイ放送などを含め、打開策を模索していく考えだが、ネットフリックス側は現時点で「ポジティブな姿勢を示していない」(榊原コミッショナー)といい、実現は厳しい状況にある。昨今はプロ野球もネット配信が中心となりつつあり、今後のスポーツ放映のビジネスモデルに大きな影響を及ぼすことになりそうだ。