プロ入りから19年目のシーズン。苦しんだ末に、大きな勲章を手にした。9月30日の中日戦(東京ドーム)で巨人の田中将大が、史上4人目の快挙となる日米通算200勝を達成した。 写真=桜井ひとし 2025.9.30 @東京ドーム 
巨人・田中将大
ラストチャンスでついにつかんだ。9月30日、東京ドームでの中日戦。先発の田中将大は6回2失点の好投でチームを4対2の勝利に導き、日米通算200勝の大台に到達。不退転の覚悟で求めた新天地で、球史にその名を刻んだ。
7回以降、リードを保ったまま
中川皓太、
田中瑛斗、
大勢がアウトを重ねるごとに、東京ドームの熱がみるみる高まっていく。
R.マルティネスが27個目のアウトを空振り三振で決めると球場のボルテージは最高潮に達し、田中将はベンチで両拳を握りしめて渾身のガッツポーズ。大勢と田中瑛から祝福のウォータシャワーを浴び、破顔した。
「感無量。200勝が近づく中で苦しいこともあったが、乗り越えることができて、この数字にたどり着けた」

今季10度目の登板は6回を投げて4安打2四球4奪三振、2失点。魂の85球だった
楽天時代は2度の最多勝と最優秀防御率のタイトルを手にし、2013年には24勝0敗という驚異的なレコードを樹立。日本一を置き土産に海を渡ると、名門
ヤンキースのエース格として腕を振り、7年間で78勝と順調に勝ち星を積み上げていった。21年の楽天復帰後は思うような投球ができず、昨季はキャリア初の未勝利に終わると、オフに退団を決意して巨人へ移籍。今季も5月から約3カ月をファームで過ごすなど順風満帆とは言えず、8月21日の
ヤクルト戦(神宮)で199勝目を挙げてからも“あとひとつ”が遠く足踏みを続けたものの、今季のシーズン最終登板で大きな勲章を手にした。
試合後には小学・中学の同級生である
坂本勇人から花束を渡され、「不思議な縁。自分にとっても大きな思い出になる」とつぶやいた。その坂本は「ずっと常に上を行ってくれた」と盟友に最大級のリスペクトを示し、翌日のセレモニーでも名球会入りのブレザー贈呈でプレゼンターを務めて笑顔で抱擁した。

試合後には盟友・坂本から花束を贈られ、とびきりの笑顔を見せた
野茂英雄、
黒田博樹、
ダルビッシュ有(パドレス)に続く史上4人目の偉業を成したが、もちろん、「ここがゴールではない」。この先について問われると、マウンド上と同じように眼光鋭く表情を引き締め、「クライマックスシリーズ、日本シリーズと勢いに乗って戦っていきたい」と力強く決意を口にした。
阿部慎之助監督も「もちろん投げてもらう。頭数が足りてない状態なんで」とクライマックスシリーズ以降の先発起用を明言。大きな節目を通過点に、レジェンド右腕は新たな戦いへと挑んでいく。
PROFILE たなか・まさひろ●1988年11月1日生まれ。188cm97kg。兵庫県出身。[甲]駒大苫小牧高-楽天07[1]-ヤンキース14-楽天21-巨人25=12年。