両リーグの覇者が激突するファイナルバトル――。独走でセ・リーグ王者となった阪神は2年ぶりの頂点の座を伺い、混戦のパ・リーグを制したソフトバンクは5年ぶりの日本一奪還を狙う。みずほPayPayドームで火蓋が切られた第1、2戦の模様をお届けする。 写真=毛受亮介、高原由佳、湯浅芳昭、川口洋邦 【第2戦】はこちらから 
同点に追いついた6回一死三塁、佐藤輝が右中間に落とす勝ち越しの適時二塁打で決勝点をもぎ取った
どちらに傾くか分からない、すれすれのシーソーゲーム。勝者にはわずかな運が味方した。
先制に成功したのはソフトバンクだった。初回、阪神先発の
村上頌樹が“らしくない”コントロールの乱れを見せたところを逃さない。先頭の
柳田悠岐が四球をもぎ取ると、二ゴロで入れ替わり一塁に残った
周東佑京がすかさず二盗。二死後、復帰を果たした
近藤健介が高めに浮いた148キロのストレートを中前へはじき返してスコアボードに「1」を刻んだ。

初回に先制の適時打を放った近藤。試合には敗れたが、チームにとっての存在感の大きさを見せた
ソフトバンクの先発・
有原航平は安定した立ち上がり。右打者にはツーシームで内角をえぐりながらフォークを決め球に、左打者にはカットボールで内角を突いてチェンジアップで仕留める繊細かつ大胆な投球で阪神打線を翻弄。先頭打者の安打と盗塁で無死二塁のピンチを背負った5回も冷静に後続を打ち取り、テンポの良い投球でゼロを並べていった。
再び試合が動いたのは6回、阪神の攻撃だった。先頭の
近本光司が中前打で出塁すると、すかさず二盗。5回に続き無死二塁のチャンスをつくると、続く
中野拓夢のバントは絶妙な角度と打球の勢いで三塁・
野村勇の前へ。ファウルラインを切ると踏んだ野村は見送る決断をするも、打球はフェアゾーンに残った。

6回無死二塁から中野のバントは内野安打に。打球がファウルラインの内側に残る幸運が阪神の逆転につながった
続く
森下翔太の打席で中野が二塁を陥れ、森下の遊ゴロの間に同点。さらに
佐藤輝明がカウント3-0から有原のチェンジアップをすくい上げて右中間に落とし、逆転に成功した。

ソフトバンクの先発・有原は気迫の投球を見せるも6回につかまった
初回に1点を失った村上だが、「粘っていれば逆転してくれると信じていた」と言うように、自慢の制球に乱れがある中でも必死に相手打線を抑え込みながら、尻上がりに状態を上げていく。終わってみれば7回115球、6安打6奪三振の好投を見せ、最少失点で切り抜けた。

阪神の先発・村上は初回に先制を許すも粘りの投球で7回を投げ抜いた
8回からは
及川雅貴がマウンドに上がり、二死二塁で
山川穂高が代打で登場すると
石井大智にスイッチ。山川とは無理に勝負をせず続く野村を仕留めると、回またぎの9回も二死一、二塁のピンチを迎えたものの、最後は
柳町達を中飛に打ち取ってしっかりと試合を締めた。
緊迫したロースコアのゲームを阪神・
藤川球児監督は「面白い野球だった」と笑顔で振り返り、先発の村上を「1点取られたが尻上がりに調子を上げて、援護を待つ。シーズンどおりの投球」とたたえた。試合全体を見ても最大のストロングポイントである投手力を前面に、ワンチャンスで得点をもぎ取って競り勝つという“普段どおり”の野球を展開。2年ぶりの日本一へ先手を取った。
一方のソフトバンクも7回以降は
藤井皓哉、
松本裕樹、
杉山一樹と勝ちパターンをつぎ込み、最後まで勝利への執念を見せたが、この日に限っては阪神投手陣の前に攻撃陣が屈した。
■2025日本シリーズ第1戦 ■10月25日(土) @みずほPayPay ◆時間=3時間17分◆観客数=3万6882人