アメリカとカナダとのチームの戦いは延長戦が2度あり、第7戦までもつれる大接戦。3勝3敗で迎えた最終戦も延長に突入し、ドジャースが勝ち越し、最後はシリーズ3度目の登板となった山本由伸が初リリーフで胴上げ投手に。ドジャースは球団初の2連覇で9度目の世界一に。山本は2009年の松井秀喜氏(ヤンキース)以来、日本人では2人目のワールド・シリーズMVPに輝いた。 文責=メジャーリーグ編集部 写真=Getty Images 
2年連続9度目の世界一となったドジャースナインはトロフィーを掲げ、喜びを爆発させた
まさしく「死闘」だった。延長18回、延長11回という7試合で2度の延長戦があり、投打ともに総力戦。ブルージェイズは、スプリンガー、ビシェットと打の中軸がケガを押して出場。お互いに意地と意地の戦い。制したのはわずかな差でドジャースだった。
「本当に特別なグループ。あきらめずに戦い続け、必死に投げ、素晴らしい打席を重ね、ついに打ち破ることができた。夢のような瞬間だった。延長戦でチームを勝利に導く一打。一生忘れない」
第7戦は3回裏にブルージェイズが、ドジャースの
大谷翔平から3点を奪い先制していた。だが粘るドジャースは、3対4で9回表一死からロハスが起死回生の同点弾を放つ。その裏、一死一、二塁から中0日で山本由伸がリリーフ登板。一死満塁となったが、無失点で切り抜けこのシリーズ2度目の延長戦に入った。
そして迎えた11回表。二死からウィル・
スミスが勝ち越しの一発を放ち、この試合、初めてのリードを奪う。ワールド・シリーズ制覇まで、あと1イニングである。3イニング目に入った山本が、一死一、三塁のピンチを招くも、最後は好打者・カークをダブルプレーに打ち取り、最高の瞬間を迎えた。
投打互角の戦力でMLB球史に残る激戦に
強敵ひしめくア・リーグを制し、32年ぶりの世界一を目指すブルージェイズは、強打者と好投手がいる強豪。二番の
ゲレーロ・ジュニアが中心ではあるが、打線はコンタクト率の高い打者を並べ、どこからでも点を奪える打線。そう簡単には打ち取れない。実際に、ドジャースが誇る強烈な先発陣が抑えるのに苦労した。
投手陣もベテランのシャーザー、べジェットに今季メジャー・デビューしポストシーズンで好投を続けていたイェサベージが躍動。リリーフ陣も抑えの
ホフマンほか、強力な中継ぎ陣を配し、隙のないチームだった。
ドジャースもポストシーズンで
佐々木朗希が抑えに入り、ある程度の形を整えて連覇を狙った。第1戦は11対4でブルージェイズが圧勝。この大勝で波に乗るかと思われた第2戦で、山本が1失点完投で1勝1敗とした。第3戦は、ドジャースが先制したが、追いつかれる。だが、7回に大谷が同点打を放つと、そこから延長18回まで勝負がつかないという状況に。6時間39分におよぶ死闘の上、ドジャースのフリーマンがサヨナラ本塁打を放った。

2試合に登板し、3本塁打を放った大谷。2年連続世界一の立役者の一人であった
第4戦は大谷が先発して好投するも、7回途中4失点で降板。チームも2対6で敗戦し2勝2敗に。第5戦は先発のスネルが初回から2点を奪われ、ブルージェイズが6対1で勝利し、ワールド・シリーズに王手をかけた。
だが、またもブルージェイズに立ちはだかったのが山本だった。第6戦は山本が6回まで1失点で抑え、打線も3点を奪い3対1で勝利した。逆王手をかけた形となった第7戦も死闘だった。制球が定まらない先発・大谷が3回に3ランを先制される。誰もがこれでブルージェイズが勝ったと思ったはずだ。
ドジャース得意の本塁打攻勢で徐々に追いつき、9回にミゲル・ロハスの一発で延長へ。ドジャースは山本がピンチをしのぎながら味方の援護を待った。そして11回表にスミスの一発。そして11回裏。一死一、三塁のピンチを招くが、最後は……。
投げ切った山本は、最後ガッツポーズでほっとした表情を見せたが、束の間、ドジャースナインが歓喜の輪をつくり、山本を称えた。3試合登板で3勝の文句なしのMVP獲得。この死闘は、MLBの歴史に残る名シリーズとなるのは間違いない。

山本の獅子奮迅の投球がなければ世界一には輝けなかった。それくらいの大活躍を見せた
■2025ワールド・シリーズ RESULT ドジャース 4勝3敗 ※2年連続9度目の世界一