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第56回明治神宮大会STORY【大学の部】

指揮官が見た勝負の分け目 学生を動かす采配の妙

 

学生野球シーズンを締めくくる明治神宮野球大会。大学の部は2025年の一区切りとあって、各チームとも特別な思いで戦った。選手たちに指示を出した4人の監督の秋を追った。
取材・文=佐々木亨 写真=矢野寿明

東農大北海道オホーツク・三垣監督は「松坂世代」の一人。社会人経験も豊富で、選手たちをけん引した


調整不足は否めず


 2年ぶり6回目の出場となった東農大北海道オホーツク(北海道二連盟代表)の三垣勝巳監督は、初戦敗退の現実を受け止めてこう語った。

「残塁のところが勝敗を分けた」

 阪神育成1位の神宮僚介(4年・桐生第一高)が試合前半まで1失点でしのぐ中で、攻撃陣は1回裏に無死一、二塁、2回裏と5回裏はともに満塁の好機を迎えながら無得点に終わる。6回裏からは、立命大(関西五連盟第二代表)の左腕・有馬伽久(3年・愛工大名電高)に大会新となる10者連続三振を喫する。「北海道ではなかなか対戦できないような投手だった」という立命大投手陣を最後まで攻略できずに零封負けを喫した(0対4)。それでも、三垣監督は「選手たちは、よくやったほうだと思いますよ」とも語るのだ。

 秋の日本一を決める明治神宮野球大会の代表決定戦が行われたのは10月中旬だ。そこからの約1カ月、実戦がないままに神宮球場に乗り込んだ。東農大北海道オホーツクがある網走市は、北海道の北東に位置してオホーツク海の流氷で知られる場所だ。札幌市とは優に300キロ以上は離れており、気軽に遠征へ出掛けられるような土地柄ではない。

「オープン戦もできないんです。今はもう寒くて、しばれる感じ」

 雪が降る。晴れた日でも、気温は10度に満たない日がほとんどだ。バットを振るスイング音だけが響く。屋外でできる守備練習と言えば、外野のポール間を行き来するアメリカンノックぐらいだという。

「大会に向けて1カ月以上もゲームがないのは正直、厳しい。打球判断や一歩目の動きなど、そのへんの差は出てしまいます。それでも、選手たちは言い訳をせずによくやっていると思います」

 PL学園高出身の三垣監督が、東農大生物産業学部(現・東農大北海道オホーツク)に進学したのは1999年。ちなみに98年の3年夏、甲子園準々決勝の『横浜vsPL』の当事者であり、いわば「松坂世代」の一人である三垣監督は・・・

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