第98回選抜高校野球大会は3月19日、阪神甲子園球場で開幕。2年連続6回目の出場となる花巻東高(岩手)は1回戦で智弁学園高(奈良)と対戦。昨秋の東北大会優勝校は、投打で3人の注目選手を擁す。 取材・文=佐々木亨 写真=田中慎一郎 
投打で花巻東高をけん引する3人。それぞれ個性を伸ばしてきた好選手である。左から萬谷堅心[投手]、古城大翔[主将/内野手]、赤間史弥[外野手]
長けたゲームメーク術
今春のセンバツから導入される「DH(指名打者)制」について、花巻東高・佐々木洋監督は「個性を生かすという意味ではいい方向に向かうと思いますので、チャンスととらえてDHを活用していきたい」と語る。一方で、現チームの投手陣を支える萬谷堅心と赤間史弥(ともに3年)を引き合いに出して、こう言葉を加えるのだ。
「今年に限っては、萬谷も赤間もバッティングが良くて、非常に悩ましいところはあるんですが、センバツでは起用法を考えながら戦いたいと思っています」
エースナンバーを背負いながら、持ち前のバットコントロールで安打を量産した昨秋。主に五番を担った萬谷は公式戦で打率4割超え、崇徳高(
広島)との明治神宮大会初戦(2回戦)では8回裏に技ありの中前適時打を放つなど、打撃センスが光る。
「でも、中学時代(盛岡北シニア)も含めて、まだホームランを打ったことがないんです。パワーがなくて(笑)。どちらかと言うと、投げるほうが好きです」
ピッチングにおける自信は、打撃のそれを上回る。2年夏の甲子園では、花巻東の出世番号である「17」を背負い、智弁和歌山を相手に完投勝利。「緩急をつけながら投げられた。走者を出しながらも粘り強く投げられた」と振り返る甲子園のマウンドは、萬谷の勇気と自信を深めるものだった。得意のチェンジアップや、カウントを整えるときにも使えるスライダーは、昨秋の試合を経てさらに磨きがかかった。八戸学院光星高(青森)との東北大会決勝では、3回途中から好救援。崇徳高との明治神宮大会2回戦では1失点完投である。変化球を散りばめる投球術に加え、自己最速タイの141キロをたたき出したストレートにも成長の跡が見えた。
目指す投手像は、同じ左腕で同校OBの
菊池雄星(エンゼルス)だ。
「キレのある真っすぐ。背中で引っ張っていくそのプレーを見て、菊池雄星投手のようになりたいと思っています」
2009年のセンバツ。高校生離れした圧倒的なピッチングで・・・
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