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NPBリプレーセンター運用開始 統一ベースも公式戦で使用スタート

 

3月27日、NPBは今季よりNPB事務局内に設置されたNPBリプレーセンターを開幕に先立って公開した。これまでは各球場で行われていたリプレー検証を、このNPBリプレーセンターで一括して行っていく。
取材=早川大介 写真=高原由佳

報道陣に公開されたNPBリプレイセンターの内部


 NPBが新設したリプレーセンターの運用は、「現場とセンターを確実につなぎ、誤判定を防ぐ」ことを主眼に設計されている。センター内には6台のモニターが設置され、各試合の中継映像が映し出される。「球場の審判ブースには控え審判員が一人常駐し、監督のリクエストを起点に検証が始まる」という流れが基本だ。監督がリクエストの意思を示すと、グラウンドの審判がブースに設置された電話を通じてセンターへ連絡。「横浜スタジアムの一塁、アウトかセーフか検証をお願いします」といった形で依頼が送られ、ここから検証がスタートする。

 リプレーセンター側は審判員2人とオペレーター1人の計3人体制。オペレーターは外注スタッフで、アプリや映像操作に精通した人材が担当し、審判員が映像を基に判定を下す。映像は個別カメラを自由に選択するのではなく、テレビや配信の中継映像をそのまま取り込み、早送りや巻き戻し、拡大などで検証する。また、複数映像を組み合わせた360度アングルなども、中継に乗っていれば使用される可能性があるとされている。

 複数の放送事業者が同時中継する場合は、いずれか一方を選択して使用する。仕様上「同時に二つの映像を扱うのは難しい」ためで、「基本的には各球団のメイン中継を優先する」とされる。どの映像を採用するかに明確な基準はなく、「実際に試合で使用されている主系統の映像をベースにする」という。専用アプリも導入されており、開発に関わった外部スタッフが操作を担い、検証の迅速化を支えている。

 通信は安定性を最優先し固定電話を採用。地方球場でも同様に固定回線を使用し、審判ブースへの設置が進められている。通話はヘッドセットで行われ、リアルタイムで情報を共有する。現場では通信機器を2系統用意し、控え審判員と責任審判がそれぞれ装着。責任審判もセンターとのやり取りを同時に把握できる。そのうえで判定は3者通話で伝達され、「リプレーセンター」「責任審判」「控え審判員」が同時に確認しながら最終判断を共有する。「1対1だと聞き違いのリスクがあるため、3者で確認する」という考え方で、情報の食い違いを防ぐ仕組みだ。

 複数のリクエストが同時に起きた場合は基本的に発生順で検証するが、判断難易度に応じて柔軟に対応する。また、悪天候や機材トラブルでセンターが使用できない場合は、従来どおり現地で審判員が映像を確認し、判定を下す。

3月27日、巨人阪神[東京ドーム]の開幕戦では3回の阪神の攻撃で、無死一塁から村上頌樹が試みた犠打の一塁セーフ判定に巨人・阿部慎之助監督からリクエスト。リプレイセンターで初の検証が行われ、アウトの判定に覆りダブルプレーとなった[写真=川口洋邦]


 また、今季から本塁を除く一〜三塁で統一ベースを使用することになった。これまでの約38.1センチ(15インチ)四方から約45.7センチ(18インチ)四方に拡大され、選手のケガ防止と球場ごとの仕様差解消を目的に導入された。試作品や供給体制の確認に加え、2025年のフェニックスリーグや各球団キャンプでの使用を経て問題がないと判断され、今季から公式戦で採用。試用期間は完成度と供給体制の確認を目的として設けられた。ベースはNPBが製造・販売し、各球団が購入する形となる。今後も統一ベースにとどまらず、ケガ防止や観戦価値向上に向けた施策も検討されていく。

今季から導入された統一ベース。NPBが販売・供給していく[写真=桜井ひとし]

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