野球には「失敗する確率が高い」という、競技特性がある。成果を残すために、失敗と修正を繰り返す選手たちの思考を科学的に鍛えるメンタルコーチの注目度が、プロ・アマ問わず高まってきている。名門中学硬式野球チームの取り組みを追った。 取材・文・写真=喜岡桜 プロでは数例のみ
通算4度の全国優勝を誇り、兵庫県西宮市を拠点に活動している中学硬式野球の強豪・関メディベースボール学院は3月、沖縄県で開かれたポニーリーグの春の全国大会「2026エスプランナーカップ第10回全日本選抜中学硬式野球大会」で、日本ではまだ珍しいメンタルコーチが全試合でベンチ入りした。
同チームを率いる井戸伸年GM兼総監督は、その狙いをこう語る。
「アメリカでは、メンタルコーチが選手と専属契約を交わしたり、チームの一員としてベンチ入りしていることがあります。日本では、プロでも数例しかない取り組みです。中学野球の試合でベンチ入りしたことは日本初。前々からメンタルコーチにベンチに入ってもらいたいと思っていたんです。どんな効果が得られるか。面白そうやろ?」
井戸GM兼総監督にはアメリカでのプレー経験がある。02年にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結び、03年に近鉄へ入団。現役を引退後の06年から関メディベースボール学院で指導者になった。以降、常識にとらわれないチームづくりを進めてきた。
日本球界では、21年の東京五輪で女子ソフトボール日本代表をサポートし、金メダル獲得を支えた遠藤拓哉氏が
DeNAで22年2月に「メンタルスキルコーチ」としてベンチ入り。さらに24年秋に
ソフトバンクが「メンタルパフォーマンスコーチ」として伴元裕氏を招へいした。ソフトバンクは翌年4月に12年ぶりの単独最下位へ沈んだが・・・
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