
思わぬ形で辞任を余儀なくされた阿部前監督は会見で涙をにじませた[写真=産経新聞社]
あまりにも衝撃的なニュースが飛び込んできた。5月25日、
巨人の
阿部慎之助監督が娘への暴行の疑いで現行犯逮捕、26日未明に釈放された。球団の国松徹社長は「進退を含めて処分を検討する」とコメントを出したものの、阿部監督は26日朝に山口寿一オーナーと面会し、「伝統ある巨人軍の監督の名を汚した」として辞任を申し入れ、受理された。
球団が確認した事実としては、5月25日午後6時ごろ、阿部監督の都内の自宅で姉妹がケンカを始めたため、監督がこれを止めようとした際、18歳の長女から言い返されたことに腹を立て、長女の襟元をつかみ、投げ飛ばして倒すなどの暴行を加えた。長女にケガはなかった。
長女はこの直後にChatGPTに相談したところ、児童相談所への相談を勧められたことから連絡。児童相談所から連絡を受けた警視庁渋谷署が阿部監督の現行犯逮捕に至った。阿部監督と長女との間で、過去にトラブルはなかったという。
阿部監督は山口オーナーとの面会後に都内の球団事務所で会見に臨み謝罪。声を詰まらせながら、「こういう形で去るということは本当に申し訳なく思っています」と涙をぬぐい、「伝統ある巨人軍という監督の名も汚してしまって、とても深く謝罪したい気持ちでいっぱいです」と言葉を絞り出して頭を下げた。
シーズン中に現役監督が逮捕されて電撃辞任という異例の展開となったが、球団としても監督の途中交代は終戦直後の1946年に
藤本英雄から
中島治康への交代、47年の中島から
三原脩への交代の2例のみ。50年の2リーグ分立後は12球団の中でシーズン途中の辞任や解任、長期休養がない唯一のチームだった。
球団は25日のうちに
橋上秀樹オフェンスチーフコーチに監督代行を要請。山口オーナーは「(今季の)最後まで、というつもりで受けていただきたいと言いました」と明かし、今季はシーズン最後まで橋上監督代行が指揮を執ることになる。来季の監督について山口オーナーは「まったくの白紙」と即答したものの、2012年以来日本一から遠ざかる伝統球団の再建へ向け、後任人事に着手していくことになる。
交流戦初戦の
ソフトバンク戦(東京ドーム)から指揮を執ることになった橋上監督代行はミーティングで「野球選手である以上は、どんな状況下でも全力を尽くして、目の前の一試合を戦っていくことだけは確認して、やっていこう」と選手たちに語り掛け、「たくさん応援してくださる方もいる。その方たちに対しても恥じない、できることを精いっぱいやって、一つでも多く勝てるように頑張りたい」と語った。

交流戦初戦となった5月26日のソフトバンク戦[東京ドーム]から橋上監督代行[右端]の下で再出発となった巨人。危機を乗り越えていくことができるか[写真=高原由佳]
チームはエスコンFでの
日本ハム戦までの2カードで、3勝3敗と五分のスタートを切った。その時点で27勝25敗の貯金2、首位
ヤクルトとは4.5ゲーム差の3位につけている。衝撃の監督辞任を乗り越え、橋上監督代行の下でピンチをチャンスに変えていくことはできるか。
※情報は5月31日時点