週刊ベースボールONLINE

アマチュア野球 FLASH【東京六大学リーグ戦】

【東京六大学野球】32年ぶりの天覧試合 天皇陛下、長女・愛子さまが早慶戦を観戦

 

天皇陛下と長女・愛子さまは東京六大学春季リーグ戦、慶大対早大2回戦が行われた神宮球場に来場された[写真=代表撮影 JMPA]


 天皇陛下と長女・愛子さまが5月31日、神宮球場で早慶戦を観戦された。東京六大学野球での「天覧試合」は1994年春以来、32年ぶりである。

 4回表が終了すると、早大と慶大の選手たちはダイヤモンド内に整列。バックネット裏の貴賓席にお二人が姿を見せると、2万9500人の大観衆が集った神宮球場は、どよめきと大きな拍手に包まれた。お二人は球場の三方向に一礼をされると着席し、熱戦を見届けた。

4回表終了後、早大と慶大の選手たちはダイヤモンド内に整列。天皇陛下と長女・愛子さまが貴賓席に着かれると、2万9500人の大観衆からはどよめきと大きな拍手が送られた[写真=矢野寿明]


 試合は意地の激突。前日の1回戦で慶大が先勝し、この日の2回戦で勝てば2023年秋以来の優勝が決まる一戦だったが、早大が意地を見せ、1点を追う9回裏にサヨナラ勝ち(5対4)を収めた。早大・小宮山悟監督は「陛下の前で恥ずかしい試合ができないと思っていました。学生たちは必死になって、ハツラツという思いでやってくれました」と安堵(あんど)。サヨナラ打を放った徳丸快晴(2年・大阪桐蔭高)は「人生で一度しか味わえることがない特別な試合。自分の人生にとっても特別なことです」と興奮気味に話した。慶大・堀井哲也監督は「とにかく一生懸命プレーする姿をお見せすることに集中していました」と振り返った。お二人は試合後の早大の校歌、慶大の塾歌、エール交換まで見届けられた。

 天皇陛下と愛子さまの説明役を担った東京六大学野球連盟・内藤雅之事務局長は試合後、観戦中のお二人の様子について対応。天皇陛下は昨春から導入されたビデオ検証について興味を示され、愛子さまは大阪桐蔭高、仙台育英高、慶應高と甲子園優勝校に反応を示され、出場する選手名も把握されていたという。「陛下も『非常にいい試合だった。見に来られて非常に良かった』とおっしゃっていました」(内藤事務局長)。熱戦を堪能された後は6校の主将と約10分、懇談の時間もあったという。

 東京六大学リーグ戦の優勝校には天皇杯が授与される。天皇杯は原則、一競技一つ。野球は東京六大学野球連盟に下賜されているのは、歴史的背景がある。1926年10月23日に行われた明治神宮野球場の開場奉納式に皇太子殿下(のちの昭和天皇)が臨席。その際、六大学の紅白戦などをご観戦し、優勝杯(東宮賜盃)下賜の御沙汰があった。43年、文部省からの通達を受けて解散し、東宮賜盃は宮内省(現在の宮内庁)に返還。戦後、46年春にリーグ戦が再開されると、同年11月に宮内省から天皇杯の御下賜が伝えられ、同秋に優勝した早大が最初に獲得している。東宮賜盃から受け継ぐ形であらためてほかのスポーツ団体に先駆けて、天皇杯が下賜された。以降、春、秋のリーグ制覇を遂げた大学が手にしている。

 天覧試合(すべて早慶戦)は1929年の明治神宮国民体育大会、50年秋、94年春で今回が4度目。今年は連盟結成101年で、神宮球場100年。昭和、平成、令和と歴史がつながれた。
HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング