風よさらば、ドーム化決定。ロッテの新球場は2034年の開業を目指す。総事業費は1000億円以上? 
左から大野惠司イオンモール社長、神谷俊一千葉市長、玉塚元一ロッテ球団オーナー代行[写真=戸加里真司]
幕張メッセ駐車場付近
千葉ロッテマリーンズの本拠地として親しまれてきたZOZOマ
リンスタジアムが、大きな転換点を迎えることになった。千葉市、千葉ロッテマリーンズ、イオンモールの3者は6月2日、千葉市役所で共同記者会見を開き、老朽化が進む同球場に代わる新たなスタジアムについて、屋内型ドーム球場を前提に再整備を進める方針を発表した。新球場は現在の球場近隣にある幕張メッセ駐車場周辺への建設を想定しており、2034年の開業を目指す。
1990年に完成したZOZOマリンスタジアムは、1992年のロッテ移転以来、本拠地として数々の名勝負を生み出してきた。一方で施設の老朽化が課題となっており、千葉市は昨年、新球場建設の基本構想を公表。当初は建設費を抑えた屋外型スタジアムが有力視されていたが、その後の検討を経て方針転換が図られた。
背景には近年の猛暑や異常気象への対応がある。夏場の観戦環境や選手のプレー環境の改善が求められる中、球団側も屋内化の必要性を訴えてきた。今回の協定締結によって、ドーム化を前提とした基本計画の策定作業が本格的にスタートする。
新球場は野球開催時だけでなく、コンサートや各種イベントなどにも幅広く対応できる施設として構想されている。天候の影響を受けにくいことで年間を通じた利用が可能となり、安定した集客や収益確保にもつながる見込みだ。周辺エリアとの連携も重視され、商業施設や飲食エリア、エンターテインメント機能などを組み合わせた大型ボールパーク構想が描かれている。
建設予定地はJR幕張豊砂駅やイオンモール幕張新都心に近接しており、回遊性を高める歩行者動線の整備も検討される。将来的にはホテルや体験型施設の導入も視野に入れ、試合の有無にかかわらず人々が集まる新たな交流拠点としての役割を担うことになりそうだ。
事業費は屋外型の場合の約600億円から大幅に増加し、ドーム化によって1000億円を超える見通し。屋根部分など追加費用については、収益性向上を前提にロッテを含む民間事業者が負担する方向で検討が進められる。屋根の形式は固定式が有力とされるが、今後の基本計画の中で詳細を詰めていく。
会見で神谷俊一市長は、スタジアムと街が一体となった新たな幕張モデルの創出に挑戦する考えを示した。ロッテの玉塚元一オーナー代行も、ファンや選手にとって魅力ある施設づくりを進めたいと強調。イオンモールの大野惠司社長も、商業分野で培ったノウハウを生かし、地域のにぎわい創出に貢献する意向を語った。
かつて“マリンの風”と呼ばれた海風が試合を左右し、多くのドラマを生んできたZOZOマリンスタジアム。その象徴的な風景は姿を変えることになるが、新たなドーム球場は幕張新都心の未来を担うランドマークとして期待を集めている。3者は2027年3月までに事業実施の可否を判断し、実現となれば本格的な建設へと歩みを進める。