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楽天が吉井理人監督の就任を発表 大舵を切り球団改革へ

 

「この一年を無駄にしないという意味でも、このタイミングでお願いさせていただいた」と三木谷オーナー[左]。吉井新監督とがっちりと握手を交わした


 三木肇監督休養から8日後の6月17日、仙台市内で楽天の新監督就任会見がおこなわれた。登壇したのは吉井理人氏と三木谷浩史オーナー。シーズン中に外部招へいで新監督が就任するのは異例だが、三木谷オーナーが監督就任会見に姿を見せるのも星野仙一氏以来と異例尽くし。「本気度をお伝えする意味もあって」と笑顔を見せ、会見では球団の改革について語った。

「中長期的に球団の方向性、さまざまな改革をしないと継続的な強い球団は作れないと考えており、今回、吉井理人さんに監督の就任をお願いすることになりました」と三木谷オーナー。球団初のクライマックスシリーズ進出に導いた野村克也氏、2013年の優勝、日本一に導いた星野氏の名を挙げ「総合的に(球団を)強くしていくためには、やはり経験値が高い、そして新しいことに取り組んでいる人材が必要」と考え「ダメ元」でオーナー自ら交渉の席に向かったという。球団が見据える方向性を直接聞いた吉井氏は「大きな仕事を任せられたことに、野球人としてすごくうれしかった」と快諾。16年から18年途中まで率いた梨田昌孝氏以来の外部招へいによる監督が誕生した。

 吉井氏は現役時代、近鉄、ヤクルトで3度のリーグ優勝と2度の日本一を経験。その後メッツ、ロッキーズ、エクスポズとメジャー・リーグにも所属。03年からは日本に戻りオリックスロッテで腕を振り日米通算121勝をマークした。07年の現役引退後は日本ハムソフトバンクなどで投手コーチを歴任しダルビッシュ有(現パドレス)や大谷翔平(現ドジャース)、千賀滉大(現メッツ)らを育て上げ、14年からの2年間は筑波大大学院で野球コーチング理論を研究。ロッテでは佐々木朗希(現ドジャース)の育成にも携わり、23年のWBCでは投手コーチとして世界一を経験している。その幅広い知識と実績に注目していたという三木谷オーナーはチームの未来を吉井氏に託した。

 これまでもトラックマンや最新鋭の打撃練習用マシンの導入、データ分析にも力を入れてきた。だが13年以降はAクラス争いがやっと。「勝つんだという思いがなければいくらデータがあっても意味がない。勝者のメンタリティーを埋め込んでほしい」と長い低迷期からの脱却へ期待を込めた。「設備面、組織面、人材面、すべての意味において今後大きな投資をして、楽天イーグルスを最強にしていく。その中核として吉井さんにもリーダーシップを発揮してもらいたいと思います」。

 新指揮官も「イーグルスは若い選手もたくさんいますし可能性のあるチームだと信じております」と力強く語る。「その可能性をしっかり形に変えていけるように、今までの経験、これから勉強していく知識などを全部つぎ込んで一生懸命やっていきたい。急に強くなるとは思っていませんが、一生懸命やっていきますので、長い目で見てくれたらありがたいと思っています」。

 そして迎えた初陣の相手は昨季まで指揮を執ったロッテ(ZOZOマリン)。6月19日は大きなスタメン変更こそなかったが、先発の荘司康誠と開幕からバッテリーを組んできた太田光ではなく堀内謙伍を起用。遊撃を守り続けてきた村林一輝を外し、ワォーターズをスタメンに置くなど中核をテコ入れ。5対8で敗れたものの、チーム改革への第一歩を踏み出した。

初陣となった6月19日からの3連戦は2敗[雨天中止1試合]となった。相手は昨季まで3年間指揮を執ったロッテ。これもなにかの因縁か……


 ファンだけではなく球界が注目する異例の人事。大きく舵を切った楽天がどんな成長を遂げるのか注目だ。

写真=川口洋邦、戸加里真司
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