打撃職人がバットを置く。
ソフトバンク・中村晃が7月3日、2026年シーズン限りでの現役引退を表明し、同日、みずほPayPayドームで会見を行った。
「発表することができて、少しスッキリしている部分もあります。もう少し長く野球を続けたい気持ちはありました。 でも、結果がすべての世界なので……。最後、自分でしっかり身を引きたいなと思ったので、そこを勝手に決断したのは少し申し訳なかったなと思います。考えてみれば、あっという間の19年間。本当に人に恵まれたプロ野球選手人生でした」
今季は開幕メンバー入りも、23試合、打率.129と不調が続き、6月9日に出場登録を抹消されていた。引退を決断したのは6月4日の
中日戦(バンテ
リン)後で、8日に
小久保裕紀監督に現役引退の意思を伝え、了承されたという。
「今年は代打を任されてきまして、結果が出せなければ引退も考えないといけないと思っていましたので、自分の中で交流戦ぐらいをめどに、と……。結果が出れば続けていますし、出なければそういう判断をしようかなと思っていました」
1989年11月5日生まれ。埼玉県出身。帝京高では2年夏から3季連続で甲子園に出場し、高校通算60本塁打を放った。2008年高校生ドラフト3巡目でソフトバンクに入団し、11年に一軍デビュー。13年から3年連続で打率3割をマークし、14年には最多安打(176)。19年には自律神経失調症であることを球団が発表。病気を克服し、20年から4年連続でゴールデン・グラブ賞(賞一塁手)を受賞した。同日時点でNPB通算1654試合に出場し、打率.274、69本塁打、555打点。25年8月26日の
楽天戦(弘前)ではプロ通算1500安打を達成した。通算1520安打について語った。
「2000本というのを目標にして入ってきましたし、その点ではやっぱり悔しさももちろんありますが、19年間を振り返ってみて、後悔はないのかな、と。 自分の中ではやり切って終われたと思います」
ホークス一筋19年目は続く。
「シーズン終了まで選手生活をしっかり全うしたいと思っています。現在は二軍にいますが、結果を残して、一軍に呼んでもらえるように、若い選手たちと一緒に汗を流していけたらなと思います」
会見では涙を浮かべる場面もあったが、すぐに現役選手の顔に戻った。この日のファーム・リーグ西地区の
阪神戦(タマスタ筑後)では、代打で左前打。36歳は最後まで打撃職人として完全燃焼する。