東都大学春季リーグ戦の表彰式が6月28日、東京都内で行われた。国学院大の優勝に貢献した右打者を取り上げる。 取材・文・写真=小川誠志 
国学院大・石野蓮は今春、リーグ最多の5本塁打を放ち、7季ぶり5度目のリーグ優勝に貢献した。表彰式では笑顔でポーズを取った
転機は代打本塁打
今春の東都一部リーグは、国学院大が青学大の7連覇を止め、7季ぶり5度目のリーグ優勝を果たした。国学院大のチーム本塁打21本は、それまでのシーズン記録を29年ぶりに更新するリーグ新記録となった。強力打線の中でリーグ最多の5本塁打を放った外野手・
石野蓮授(3年・報徳学園高)がベストナインを初受賞。石野蓮は東都大学野球連盟の表彰式で「素晴らしい賞をいただけてうれしい」とやや緊張しながらも笑顔を見せた。
報徳学園高3年春にはセンバツに出場し、健大高崎高との初戦で2ラン本塁打を打つなど、右の強打者として準優勝に貢献。国学院大へ進学後は1年春からリーグ戦デビューを果たし、同秋の第2週、亜大3回戦ではリーグ戦初本塁打を放っている。
2年時は故障もあり春秋計5試合出場、安打なしに終わる。3年生になった今春、開幕カードの中大1、2回戦では四番を任されるも結果を出せず(1、2回戦とも3打数無安打)、ともに代打を送られた。同3回戦はベンチスタートも、8回の代打で今季初本塁打を中越えに運んだ。
「あの一本はすごく大きかったです。1、2回戦は全然当たっていなくて、3回戦はベンチスタートになったんですけど、監督からは『大事な場面で行くぞ』と言われていました。三振してもいいから気持ちいいスイングをしようと思って、開き直ったことが結果につながりました」
ドラフト上位でプロへ
この一発で、主砲は目覚めた。第3週の東洋大3回戦では同点の9回裏、中越えに2号サヨナラ本塁打。国学院大・鳥山泰孝監督も「石野蓮は悔しい思いをしながら着実に成長してきている」と活躍を喜ぶ。
最終週、優勝を決めた青学大2回戦では5回、2点を先制してなおも一死満塁で打席に入った。マウンドには高校時代のチームメートである盛田智矢(3年・報徳学園高)がいた。「盛田が自信を持っている真っすぐをしばきにいこう」と考え、2球目の150キロ速球をフルスイング。試合を決める5号満塁弾を左中間スタンドにたたき込んだ。「盛田がマウンドにいたから、すごく燃えた打席でした。絶対に打ってやるぞという気持ちで打席に入りました」と胸を張る。
リーグ戦では中盤以降、主に六番を打ったが、6月の全日本大学選手権では四番に戻った。富士大との準々決勝では8回、左翼へ逆転2ラン。「四番を打つことへのプライドはあります。四番が打つとチームが勢いづくし、チームが勝つためには四番の活躍が絶対大事」と主砲へのこだわりを持っている。秋のリーグ戦では、四番の座を譲らないつもりだ。
来年秋のドラフトでは、上位指名でのプロ入りを目指している。「東都からは上位指名でプロへ進んで活躍する選手が多い。自分も上位で入団して、プロで活躍する選手になりたいです」と言葉に力を込める。
強く意識する選手がいる。報徳学園高時代に同期だった捕手・
堀柊那(
オリックス)だ。堀は高校3年秋のドラフトで4位指名を受け、ひと足先にプロの世界へ進んだ。「堀が一軍へ上がったりすると、うれしい気持ちもあるし、負けてられないなと燃える気持ちにもなる。早く自分も同じ舞台に立ちたいです」と同期の背中を追いかける。
PROFILE いしの・れんじゅ●2005年7月13日生まれ、大阪府出身。180cm86kg。右投右打。箕面市立中小1年時に箕面ジュニアーズで野球を始める。箕面市立第五中時代は兵庫伊丹
ヤングでプレー。2年秋にはタイガースカップ優勝。報徳学園高では2年秋、兵庫県大会優勝、近畿大会準優勝。3年春のセンバツでは四番で準優勝。健大高崎高との2回戦(初戦)では2ラン本塁打を含む3安打3打点の活躍。高校通算34本塁打。国学院大では1年秋、第2週の亜大1回戦でリーグ戦デビュー(七番・右翼)。今春は5本塁打9打点の活躍でリーグ優勝に貢献し、ベストナインを初受賞。全日本大学選手権でも富士大との準々決勝、8回に逆転2ランを放った。東都一部リーグ通算32試合、打率.170、6本塁打、12打点。