
「ドラフト1位入団」の断りを入れたソフトバンク、また家族の質問を振られると、佐々木はこみ上げるものを抑えることができなかった[写真=BBM]
MLB、NPB、大学在学。3つの選択肢に悩み、決断を下した。スタン
フォード大・
佐々木麟太郎(2年)が7月19日、花巻市内で会見を開き、アメリカ現地時間12日のMLBドラフトで8巡目(全体235位)指名を受けたマー
リンズへの入団を決めた。18日夜、エージェントを通じ、NPBドラフトで1位指名を受けたソフトバンクに断りの連絡を入れた。
「自分自身の生き方として、失敗したか、しなかったかではなく、挑戦したか、しなかったかを選ぶ人生にしたいという思いで、最終的にこの道を決断いたしました。こんな未熟な私をドラフト1位でご指名いただいた福岡ソフトバンクホークスさん、ならびに
横浜DeNAベイスターズさんに深く感謝申し上げたいなと思います。特に福岡ソフトバンクホークスさんには、ドラフト指名以前から何度もアメリカまで足を運んでいただき、資料の準備から前回、福岡の施設見学にあたっていろいろご案内をご丁寧に、そしてご誠実に深くご説明いただきました。 心から感謝しています。『新たな道の開拓』が佐々木麟太郎の使命、宿命だと心に刻み、アメリカで頑張ってまいります」
ソフトバンク・
城島健司CBOは佐々木の決断を受け、球団を通じコメントした。
「MLBでプレーしたいという夢を持っている選手であることを分かった上での指名でしたし、21歳の彼がよく考えて選んだ道なので、その判断を尊重しますし、敬意も表します。彼が今後、世界的な名選手になってくれれば、我々の評価も正しかったという証明になりますし、MLBでのご活躍を祈りたいと思います」
父である花巻東高・佐々木洋監督がコメント。会見時にメモが公式コメントとして渡された。ソフトバンクに感謝を示した上で明かした。
「このような決断をすることは誠に心苦しく、貴重なドラフトの1枠、しかもドラフト1位枠を無駄にしてしまう形となる球団の皆様のお気持ちを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。息子には至らぬ点も多く、プロの世界で成功できる保証など何一つありません。それでも、自らの夢に挑みたいという強い意志を尊重し、父親として遠くから静かに見守り、応援してまいりたいと思います」
スタンフォード大は「休学制度」を活用する。会見に同席した水野雄太弁護士は「プロのアスリートとしてのキャリアを終えた後、あるいは現役の合間に、単位を取得して卒業する例は多々あり、(アメリカの)文化として一般的です。マーリンズさんからも学業面のサポートもいただける話をいただいている。今回、いろいろな選択肢がある中でマーリンズさんに入団されるところですが、スタンフォード大学に戻れるところも、決断への大きな要素だったと考えております」と説明した。
佐々木はすぐに渡米しメディカルチェック、契約後はマイアミでの練習に合流する予定だという。「マイナーから地道に、どんなに時間がかかっても必ず這(は)い上がっていきたい」。この日、何度も口にしたのは「覚悟」「宿命」「使命」。ソフトバンクからの誠意、また、家族についての質問には涙を流す場面も見られたが、21歳の決意表明には一点の曇りもなかった。