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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「オールスター、面白ければ何をやってもいいという発想は大間違い」

 

オールスター第1戦が行われた東京ドーム


「スパイ合戦」が繰り広げられた昔の球宴


 オールスターゲームを見た。怒りを通り越して、あきれ果てた。真剣みが何ひとつない。当然、普段の公式戦とは違う。ある程度ファンを喜ばせることも必要だろう。しかし、面白ければ何をやってもいいという発想は大間違いである。

 何より嘆かわしいのは全セ・藤川球児監督が、先発スタメンの打順を坂本勇人(巨人)に、投手の登板順(二番手以降)を大野雄大(中日)に決めさせたことである。坂本は第1戦で自ら一番・DHに入って、2打席凡退して交代した。これでは監督がいる必要はない。選手だけでやればいいのだ。

 昔のオールスターでは、「スパイ合戦」が繰り広げられていた。すなわち、普段戦っているライバルチームの選手と呉越同舟になることで、その選手から技術を盗む。Aはなぜあの球を打てるのか。Bはなぜああいう球を投げられるのか。各球団の監督も、自軍から送り出す選手を事前に呼んで「こういうところを盗んでこい」と指示。オールスターで入手した情報を後半戦のシーズンに生かしたものだ。

 私がヤクルトの監督時代に全セのコーチを務めたときには、山下大輔(大洋)がベンチでグラブを尻の下に敷いて平らにしていた。今のようにグラブのポケット部分を袋にしない。打球は袋の中に入れるのではなく、止めるだけ。そんな山下のいいところを密かに盗んだ。

 今の選手たちには「盗む」という感覚すら・・・

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