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第97回都市対抗野球大会展望

【都市対抗2026】黒獅子旗を手にするのは? 大会の見どころを4つのポイントで展望

 

社会人野球の頂点を決める第97回都市対抗野球大会は8月26日、東京ドームで開幕する。出場は32チームである。前年王者で推薦出場の王子と、全国12地区の予選を勝ち上がった31チームで、栄光の黒獅子旗が争われる。トーナメントの一発勝負には、野球の持つ魅力、醍醐味がたくさん詰まっている。決勝は9月6日。12日間の熱戦から目が離せない。
文=大平明 写真=矢野寿明

熱戦の舞台となる東京ドーム。スリリングな一球一打から目が離せない


 1回戦から決勝まで計31試合。栄光の黒獅子旗を手にするチームはどこか。群雄割拠の勢力図であり、混戦は必至だ。ここでは4つのポイントに分けて、見どころを探っていく。

POINT❶ 主要大会16勝1敗1分け


 2026年実績で、優勝候補の最右翼に挙げられるのはHondaである。今季は4月のJABA静岡大会とJABA京都大会、さらに5月のJABA九州大会と3大会で優勝。1年間でJABA主要11大会のうち3つを制覇したのは09年のパナソニック以来となる17年ぶりの快挙だった。さらに、都市対抗の東京都二次予選も3連勝して第1代表で勝ち上がるなど、JABA3大会と都市対抗予選で18試合を戦い16勝1敗1分けと驚異的な戦績を残している。

 JABA京都大会で最高殊勲選手賞に選出された右腕・有村大誠(立命大)は東京都二次予選でも2試合に先発して2勝。ベテランの左腕・東野龍二(駒大)も健在。また、ブルペンの左腕・中村伊吹(白鴎大)は安定感抜群でプロ注目の157キロ右腕・磯貝和賢(中京大)は力強い速球で打者を牛耳る。打線は東京都予選の3試合で5本塁打。四番の藤野隼大(立大)はNTT東日本との第1代表決定戦で中押しのソロ弾を含む2安打2打点の活躍で、最優秀選手賞を獲得。トップバッターの三浦良裕(大経大)は主要大会と都市対抗予選で5本塁打を放っており、切れ目がない。本大会では20年に優勝したが、以降は白星から5年も遠ざかっているだけに、屈辱を晴らして4度目の大会制覇を狙う。

POINT❷ アジア競技大会に最多7人選出


 トヨタ自動車は入社3年目左腕・池村健太郎(愛知学院大)が充実している。JABA岡山大会では日本新薬との予選リーグで完投勝利、JR東海との準決勝では1安打完封勝利で優勝に貢献。最高殊勲選手賞と最優秀投手賞をダブル受賞した。右腕・細川拓哉(東北福祉大)は東海理化との東海地区二次予選で完投勝利、西濃運輸戦では3安打完封勝利と左右のエースが柱となる。9月のアジア競技大会に出場する侍ジャパン社会人代表に最多の7人が選出された。渕上佳輝(星槎道都大)と嘉陽宗一郎(亜大)の右腕2人は豊富な経験を持ち、投手陣をまとめる。野手は主将で四番の逢澤崚介(明大)、東海地区二次予選で打率.421と春から好調が続く熊田任洋(早大)、鉄壁の二遊間コンビで東海予選はともに打率が4割を超えた佐藤勇基(法大)と和田佳大(中京大)。さらに、捕手の福井章吾(慶大)が代表入り。また、新人の前田健伸(早大)はJABA岡山大会で打率.529(17打数9安打)をマークして首位打者となった。22、24年は社会人日本選手権、23年は都市対抗と、3年連続で二大大会のいずれかを制覇。昨年に途切れてしまった日本一の座をもう一度、取り戻すべくアクセル全開で本大会へ挑む。

POINT❸ 2年前の王者が虎視眈々


 24年の都市対抗覇者・三菱重工Eastは2年ぶりの頂点を狙う。投手陣は2年目の左腕・安達壮汰(法大)が成長。西関東二次予選ではENEOSとの第2代表決定トーナメント準決勝、日産自動車との第2代表決定戦と、連戦となった両試合の先発を託された。ENEOS戦では5回途中から24年に橋戸賞を受賞した左腕・本間大暉(専大)、日産自動車戦は4回から右アンダースローの長島彰(中京学院大)が好リリーフと投手層が厚い。攻撃では西関東二次予選の5試合でリードオフマンの矢野幸耶(北陸大)が打率.462とチームをけん引。小柳卓也(日体大)と江越海地(長崎・海星高)は打率3割超えでともに6打点とベテランが奮闘するなか、ルーキーの小澤周平(早大)も日産自動車戦で4安打2打点の活躍。2年目の印出太一(早大)は正捕手に定着し、優勝を知るメンバーに若手が融合して激戦の西関東地区を勝ち抜いた。

POINT❹ 「親子対決」が実現


 日本生命と東芝は親子対決に注目が集まる。昨年4強の日本生命は今季から竹間容祐監督(日体大)が就任。94年に入社し、02年には外野手部門でベストナインを受賞。選手、コーチとして30年にわたり野球部に在籍し、都市対抗大会と日本選手権は2度ずつ優勝を経験した。今季は中津大和(法大)らの活躍もあり、出場した3つの主要JABA大会すべてで決勝トーナメントに進出。近畿地区二次予選は苦戦してラストの第5代表で出場権を獲得した。JABA北海道大会のJR東日本東北戦では、アジア競技大会代表の山田健太(立大)が2本塁打と復調の兆しを見せているのは明るい材料だ。入社5年目の東芝・竹間心マネジャーは立教新座中で投手として県大会に出場。以降は肩やヒジの故障に苦しみ、立大1年時の7月にマネジャーへ転身し、敏腕マネジャーとしてチームを支え、卒業後は東芝に入社した。今季はJABA日立市長杯で優勝。西関東二次予選でも笹森公輔(上武大)、松山仁彦(東海大)が好投し、金井慎之介(横浜高)が2本塁打を放って第1代表となるなど好調なチームを陰から支えているが、今季限りでマネジャーを退任する予定。幼少時から野球を教えてもらった父に恩返しをする絶好の機会だ。
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