
延長11回に代打満塁本塁打を放った中村剛をナインは笑顔で出迎えた
最後に試合を動かしたのは43歳のベテランだった。8月21日の
楽天戦、延長11回。2対2の二死満塁で
西武ベンチから告げられた「代打・
中村剛也」。大きなどよめきに包まれた楽天モバイルで、カウント1-2から
泰勝利の150キロ直球を振り抜いた。打球は左翼席へ一直線。今季1号となる代打満塁本塁打で勝ち越しの4点をたたき出し、西武を6対4の勝利へ導いた。
2021年8月22日の
オリックス戦以来、5年ぶりのグランドスラムだった。入団3年目から23年連続本塁打で、通算482号。満塁本塁打は通算23本目となり、自身が持つプロ野球最多記録をさらに更新した。43歳0カ月での満塁本塁打は、1994年の
大島康徳(
日本ハム)の43歳6カ月に次ぐ年長記録となった。
「本当に打てて良かった。しっかり自分のバッティングをしようと打席に立ちました。ぼちぼち長いことやってますんで。その結果かなと思います」
今季は開幕から二軍での調整が続き、一軍昇格は8月7日まで待たなければならなかった。それでも「チームの力になれるように僕らは準備をするだけ。いまは自分のバッティングの技術的な部分を高めていけばいいんじゃないかと思います」と、やるべきことに集中してきた。出番がいつ訪れるか分からない中でも準備を続けた男が、最もしびれる場面で最高の結果を出した。背番号60が、まだまだ健在であることを一振りで証明した。
写真=川口洋邦