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アマチュア野球CLOSE-UP【社会人野球編】

【都市対抗2026/元プロ】吉田大喜(東邦ガス) 社会人野球の醍醐味を実感「ワンプレーにかける思いが強い中で勝負できるのが楽しい」

 

東京ドームで繰り広げられたトーナメントの一発勝負。1回戦から決勝まで、全31試合が展開され、今年も名勝負の連続であった。黒獅子旗を目指し、社会人野球にかける一途な思い。
取材・文=大平明 写真=矢野寿明

JR四国との1回戦で先発すると7回3失点。6回にリードを許したあと降板したが、チームはサヨナラ勝ち。エイジェックとの準々決勝も8回途中まで投げ、試合をつくった


イニング数にこだわり


 元ヤクルトの吉田大喜(日体大)が社会人の東邦ガス(名古屋市)に入って3年目を迎えた。

「アマチュアに戻ったころはマウンドが柔らかくて体が前へ突っ込んでしまい、対応するのに苦労しました。今はマウンドにも慣れましたし、プロではフォークを多く使っていたのですが、社会人では奥行きがあるチェンジアップのほうが効果的だと感じているのでよく投げています」

 昨季の途中からは先発の機会が増えたこともあり、この冬は投球回数を増やすことを目標にしてきた。

「昨年は長いイニングが投げられなかったので、投げる量も走る量も増やしました。ブルペンでは同じ球種は続けず、真っすぐの後は変化球というように試合に即した配球で投げ込み、両サイドを意識しつつインコースを重視してきました」

 同時に「いかにして100球を投げるのか。同じ100球でも5回しか投げられないのと、7回まで投げられるのでは全然違う。だから、ストライク先行で行って、ゾーンで勝負し、打たせて取っていくピッチングを心掛けています」。東邦ガスを指揮する宇津野純一監督(明大)も「社会人の水に慣れ、チームのことを考えながら生き生きと落ち着いて投げられるようになりました」と評価。

 今季は開幕から先発の軸を任され、5月から6月にかけての都市対抗・東海地区二次予選では4試合中3試合に先発。吉田は「今シーズンはずっと調子が良くないんです。ただ、終盤に強いチームなので、できるだけ長いイニングを最少失点で投げるだけ」と話すが、ヤマハ戦は6回を1失点(自責点0)。三菱自動車岡崎との第1代表決定戦では延長10回を2安打1失点。113球で完投勝利を挙げ、本戦出場の立役者となった。

大人の投球を披露


 JR四国(高松市)との都市対抗1回戦では先発すると、右打者のインコースを突いていく投球で7回を3失点に抑え、チームの逆転勝利につなげた。「スライダーやカットボール、スプリットで小さくずらしたり、曲がると思いきや曲がらなかったり。グラデーションをつくって投げています」。3回表は二死一、二塁のピンチを迎えたがチェンジアップで空振り三振。その後は「チェンジアップを当てにきている印象だったのでスプリットを多めにしました」と相手打者を見ながら、大人の投球を見せた。

 エイジェック(小山市)との準々決勝も先発すると、6回まで1失点の好投。7回裏に同点2ランを浴びたものの、打者31人に対して球数はわずか95球。8回途中まで投げることができ、持ち味は発揮した。

 チームは延長10回タイブレークの末にサヨナラ負け。吉田もかつてのように球速が150キロを超えることはなかったが「力感のないフォームで投げることで球速表示以上にボールを速く見せることができる。あとはコーナーに投げるコントロールと度胸。球は遅くても、打者へ向かっていく強い気持ちは持っています」と話す。そして、「社会人野球はトーナメントで一度負けたら終わりなので、ワンプレーにかける思いが強いなかで勝負できるのが楽しい。毎年、結果を出して長くプレーしたい」とさらに情熱を燃やす。

PROFILE
よしだ・だいき●1997年7月27日生まれ。大阪府出身。175cm83kg。右投右打。白川小4年時から若鮎スポーツ少年団で野球を始める。東雲中では軟式野球部でプレー。大冠高では1年春からベンチ入りし、3年夏は大阪大会4強。日体大では4年春に防御率1位となり、日米大学選手権では全5試合に登板。20年ドラフト2位でヤクルト入団。23年限りで退団。プロ通算32試合登板、3勝9敗、防御率5.24。24年から社会人野球・東邦ガスでプレーしている。
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