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アマチュア野球CLOSE-UP【社会人野球編】

【都市対抗2026/10年連続出場】田場亮平(沖縄電力) 幸せを共有する34歳のレジェンド「我々は良いゲームというより、やはり、勝ちを求めている」

 

東京ドームで繰り広げられたトーナメントの一発勝負。1回戦から決勝まで、全31試合が展開され、今年も名勝負の連続であった。黒獅子旗を目指し、社会人野球にかける一途な思い。
取材・文=佐々木亨 写真=高野徹

エイジェックとの1回戦では先制アーチ。しかし、悲願の初勝利は手にできなかった


節目に自チームで出場


 沖縄電力(浦添市)の歴史を紡いできた一人である田場亮平が、東京ドームの通路で声を絞り出す。

「(自チームとしては)2年前に10年ぶりに都市対抗に出場して、今回は2年ぶりに出場しましたが、負けている時代に支えてくださったOBの方々、そして関係者の皆さんが、負ける悔しさを土台にチームをつくってくださってきました。その歴史に僕らが乗って、今は若い力も出てきた。そういったものが、ここ3年での2回の出場につながっているのかなあと思います」

 エイジェック(小山市)との1回戦で敗退後、今年で入社17年目のレジェンドは、チームへの「感謝」の言葉を並べた。

 2010年に地元の前原高から沖縄電力に入社した。4年目の13年に初めて自チームで都市対抗に出場して、翌年も2年連続で東京ドームの舞台に立った。ただ、15年からは長らく自チームでの出場が遠のく。それでも、田場自身は補強選手として社会人野球のキャリアを積み、今年は都市対抗10年連続出場の表彰を受けた。

「10年目の節目に自チームで出場できたことはうれしく思いますが、10年連続の最初のご縁をいただいた西部ガスさん、10回中5回も(補強選手として)呼んでいただいたHonda熊本の関係者の皆さんにも感謝をしたいですね」

あと一歩で逃した初勝利


 記念すべき今年の都市対抗では、エイジェックとの1回戦で本塁打を放った。2回裏の先頭で打席に立った田場の左越え本塁打は先制点となり、一挙4得点の口火となった。試合終盤に勝ち越されたが、9回裏に同点。田場自身は、二死から右中間へ二塁打を放ち、サヨナラの好機を演出した。だが、同点のまま迎えた延長タイブレークの10回表に勝ち越されて、2点差でチームは敗れた。6回目の出場となった沖縄電力、そして沖縄県勢としても都市対抗での初勝利を逃した。午後11時頃に終わった試合を田場は静かに振り返った。

「沖縄から来ていただいて、また東京にいる沖縄県民の方々、そして沖縄のファンの皆さんにも夜遅くまで応援していただいて、本当に感謝ですね」

 ただ、あと一歩のところで“初勝利”が遠のいた現実に、ただただ悔しさをにじませる。

「10年ぶりに出場した2年前、(0対1で敗れたトヨタ自動車戦は)良いゲームをして、周りからは『ナイスゲーム』と言っていただきました。でも、我々は良いゲームというより、やはり、勝ちを求めているので……。今回も九州の代表(第1代表)として意地を見せたいと思っていました。結果として良いゲームだったかもしれませんが、悔しい思いのほうが強いですね」

 ゆえに、田場は語気を強める。

「もう負ける悔しさはいらない。僕らのチームは、会社のシンボルスポーツとして活動させていただいています。勝つと周りの皆さまを幸せにできるので、来年こそは勝って、幸せを共有できればと思います」

 すでにその目は、自身にとって18年目、そのシーズンにある来年の都市対抗に向けられていた。

PROFILE
たば・りょうへい●1992年2月18日生まれ。沖縄県出身。176cm78kg。右投右打。与勝中から前原高を経て、2010年に沖縄電力に入社。18年にアジア・ウインター・ベースボールに出場。21年は九州大会で首位打者。同年の都市対抗ではHonda熊本の補強選手として5試合で「五番・三塁」で準優勝。24年は10年ぶりに沖縄電力として都市対抗に出場しトヨタ自動車との1回戦で2安打。26年の都市対抗ではエイジェックとの1回戦で先制本塁打を放った。
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