
セレモニーではナインの手で5度、宙を舞った平野投手兼任コーチ
苦しみも栄光も味わいながら
オリックスを支え続けてきた功労者たちが、そろって現役生活に幕を下ろした。
「お釣りが来るぐらいやり切らせていただきました。悔いはないです」と晴れやかな表情で引退会見を行ったのは、日米通算21年間で前人未到の258セーブ&205ホールドを挙げ、球団初の名球会入りを果たしている
平野佳寿投手兼任コーチ。42歳のレジェンド守護神は9月25日の
ソフトバンク戦(京セラドーム)で引退試合に臨み、9回に最後のマウンドへ。同じく今季でユニフォームを脱ぐ
中村晃を直球で追い込み、宝刀・フォークで空振り三振に仕留めた。セレモニーでは、当時先発だった平野をリリーフに抜てきした
岡田彰布元監督や同学年の
金子千尋氏も花束を持ってサプライズ登場。ナイン、ファンから盛大に見送られた。
2017年オフに海外FA権を行使してダイヤモンドバックスに移籍。オリックス復帰後、21年からの3季連続Vには「本当に戻らせてもらって良かった。あの3連覇で僕の野球人生も救われた」と感謝する。同期入団で20年以上、苦楽をともにしてきた盟友の
岸田護監督には「プレーヤーとして貢献できず申し訳なかった。もし一緒にやれるなら下で働いて胴上げできるように」と恩返しを誓った。
翌26日、今季のホーム最終戦となった
日本ハム戦では、オリックス一筋17年の左腕・
山田修義と同じく12年の最年長野手・
西野真弘の引退試合が行われた。
七番・二塁でスタメン出場した西野は5回に内野安打、8回には左中間を破る二塁打と引退試合とは思えぬパフォーマンスを披露。塁上で目頭を押さえ、ファンの声援に涙があふれた。「12年間いろんなことがありました。ケガも何度もしました。優勝、日本一もできてこの体でプロの世界でやれたのは自分の誇りです」と、167cmのファイターは胸を張った。
9回に登板した山田は1-2から6球目の140キロ真っすぐで
郡司裕也を中飛に仕留めてブルペンの仕事を全う。「マウンドに向かうとき、ピンチのとき、ファンの皆さんの声援がとても力になりました。本当に幸せな野球人生でした」。
3人が何度も口にした支えてくれた周囲への感謝の言葉。一時代を築いた生え抜き選手の万感の思いは、チームメートやファンの心にしっかりと刻まれた。
写真=早浪章弘