昨季は41本塁打を放って3年ぶりの本塁打王を獲得し、90打点で初の打点王にも輝くなど、球界屈指のホームランバッターです。
[2]で左足を高く上げて、そこから[3][4][5]と振り出すようにステップしていきます。山川選手は体重こそ100キロを超えていますが、身長は176センチと決して上背があるわけではありません。タイミングの取り方を含めたステップの仕方は選手それぞれですが、体重をしっかりと軸足に乗せてから、ボールに向かって自分の全体重をぶつけていくイメージと、タイミングの取り方だと思います。
待って、来たボールを打つのではなく、自分からボールを打ちに行く。動きからもそうしたイメージを持っていることが分かります。
下半身の動きも、そうしたイメージに沿った素晴らしいものがあります。[7]から[8]で左足が着地するまで流れの中でグーっと前に体重が乗っていき、そこから一気に腰が回転していきますが、[9]では上体は残ったままで、手を出していこうという感じがありません。[10][11]と下半身の回転がさらに加速していく中で、あとからバットが遅れて出てきています。まさに「下半身主導」というスイングです。
トップの位置は非常に浅いですが、バットが体の近くを通りながら最短距離で出てくるので、インパクトを前にすればいいだけのこと。「すれば」というより、自然にそうなっている感じがします。もともとパワーのある山川選手が、これだけ下半身を使ったスイングをして全体重をボールにぶつけるのですから、飛距離が出るのは当然です。
もちろんバットの出方も悪くありません。バットの軌道を見ても、浅いトップの位置から一度バットのヘッドが下がり、インパクト後にヘッドが上がっていきます。
私はホームランバッターではなかったので、「いかにヒットの確率を上げるか」ということを考えていましたが、山川選手のようなホームランバッターは「ホームランを打つ確率を上げるにはどうすればいいか」という考え方でスイングを作り上げていると思いますし、実際に山川選手のスイングはそうした考え方が伝わってくるものです。
1シーズンに500打席から600打席ある中で、50本のホームランが打てれば高確率なわけで、1割打てれば良いわけです。まさに、その確率を上げるためのスイングだと言えます。(フォーム解説=
篠塚和典)
PROFILE 山川穂高/やまかわ・ほたか●1991年11月23日生まれ。右投右打。176cm103kg。沖縄県出身。中部商高-富士大-
西武14[2]
2022年成績 129試合119安打41本塁打90打点0盗塁、打率.266。