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篠塚和典の連続写真に見るプロのテクニック

【連続写真】阪神・中野拓夢「柔軟で粘りある下半身の使い方◎グリップ位置でさらにスムーズに」

 





 入団1年目の2021年からレギュラーとなり盗塁王を獲得。今年3月のワールド・ベースボール・クラシックで世界一に貢献し、今季は阪神“不動”の二番として最多安打のタイトルに輝く活躍でリーグ優勝に貢献したヒットメーカーです。

 構えの[1]からスッと右足を引いて[2]で全体重を軸足である左足に乗せ、[3]からステップしながらピッチャー方向にグーっと向かっていきます。この一連の流れはいいですね。

 [7]からスイングが始まりますが、バットは振り出しやすい角度になっており、実際にまずまずスムーズに振り出すことができています。171cmとサイズがあるわけではないので、バットを短く持ってコンパクトに打っていこうという意識が伝わってきます。

 この連続写真は低めのボールをうまくすくい上げて中前へ運んだものですが、下半身の対応力が抜群ですね。スイングが始まってからも前足である右膝が柔らかく、インパクトの直前まで余裕があるため、低めへの緩いボールにも崩されることなく対応できていますし、インパクトするまで右膝に粘りがあるのが分かります。

 同時に後ろ足である左膝をスイングに合わせてしっかりと押し込むことで、体の回転とスイングの力につなげています。これならボールの高低の揺さぶりに、しっかりついていくことができるはずです。

 安打を量産することができているのも納得のスイングですが、もっと欲を言うのであれば、スイングが始まる直前の[6]までの過程で、もう少しグリップの位置が低くてもいいかもしれません。トップの[6]から振り出しに行く[7]、そして[8]と、少しずつグリップを落としながらスイングすることになってしまっているからです。

 トップでグリップの位置が高いと、どうしても上からボールをたたくようなイメージになってしまいます。[6]までの過程でグリップの位置を低くセットし、[7][8]にかけてグリップを落とす幅をさらに小さくすることができれば、バットはもっとスムーズに出ていくはずですし、スイングにおいていわゆる無駄な動きをさらに省くこともできるでしょう。より水平なスイングのイメージになることで、ボールをとらえる確率もさらに上がっていくはずです。まだまだレベルアップの余地がありますから、来季は打率3割も目指すことができるはずです。

PROFILE
中野拓夢/なかの・たくむ●1996年6月28日生まれ。右投左打。171cm69kg。山形県出身。[甲]日大山形高-東北福祉大-三菱自動車岡崎-阪神21(6)。
【2023年成績】143試合164安打2本塁打40打点20盗塁、打率.285
連続写真に見るプロのテクニック

連続写真に見るプロのテクニック

元プロの野球解説者が現役選手の打撃フォーム、投球フォームを連続写真をもとに解説。

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