抜群の勝負強さで代打の切り札として存在感を発揮する矢野謙次。商売道具であるバットへのこだわりも人一倍で、プロ3年目から使用している現在のモデルはある2人の好打者の“融合”から生まれた。北の代打職人を支える唯一無二の特製バットにまつわる物語──。 取材・文=松井進作、写真=松岡昌平、BBM 晴天に恵まれた屋外球場での練習前──。
日本ハムベンチには綺麗に磨かれたバットが整然と並べられている。持ち主は矢野謙次。
「どうしてもドーム球場が多いので、屋根がない球場のときはバットにも日光浴をさせてあげないとね」と自身の“相棒”を眺めながら穏やかな表情で語り始めた。
メーカーはアシックス。
巨人時代のプロ3年目(当時はローリングスブランド)から使い始め、今シーズンで13年目になるという。その間にモデルチェンジをしたことは一度もなし。材質はアオダモ、重さも900~910グラムから変わることはない。
「このモデルから変えようと思ったことはないです。それこそ全然打てないシーズンでもね(苦笑)」
そこまで惚れこむバットのベースになったのは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン